月のシズク
mamico



 それぞれの・・・・

愛する(ほんまかいな)家族にメリー・クリスマスを言おうと電話をかけたら、
祖母の明るい声が出た。ひとしきりご挨拶を終え「で、父と母は?」と聞こう
としたとき、「ああ、そうそう。パパさんとママさんは、神戸に、リル、ルリ、
えっと、イルミネイション?を見に出掛けてますのよ。おばあちゃま、お家を
しっかり守りますわね」と。

えっ、えええ!
それって「(はるばる)神戸にルミナリエを見に行ったってこと!?」と驚く私。
なんとロマンティックな両親。イブの夜に神戸の夜景を見に旅行に出ちゃう
なんて、粋だわ、素敵だわ。
うぅううっ、やられたり。

夜、母がうきうきした声で電話をかけてくる。
「んもーぅ、きれいだったわぁ(はぁと)。しっかりパパと腕くんで歩いちゃった
(はぁと)」とのろけられる。今日は北野の異人館界隈を散策し六甲のホテルに
泊まって、明日は大阪の海遊館に行って来るそうな。もしかしてジャマイカ行き
が流れたリベンジかしら、と思うがそんな野暮な質問はもちろん控える。

「で、アナタは?」と振られ、私は食卓を振り返る。
中央にどっしりとした石狩鍋、たち吉の薄手の湯飲みには上撰の松竹梅が
なみなみと注がれている。おおよそロマンティックなイブとは程遠い光景。
おまけに風邪気味で、外なんか出歩く気がさらさらない格好。

よし、私もかっこいい中年をめざすわよ。
ということで、ぜんぜんいけてないムスメは放置しておいてください。





2001年12月24日(月)
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