月のシズク
mamico



 チェロと旅

バス、電車、バスを乗り継いでひるまの大学に足を踏み入れる。
郊外の国立大学だけあって、キャンパスが広くいろんな建物がある。

正門を入って最初の角を左に曲がると、音楽堂と名付けられた芸術部用の
ホールがある。デッサン用の白く巨大なオブジェがいくつも設置されていた。
見慣れない風景に好奇心がかき立てられ、必要以上にきょろきょろしてしまった。

チェロを連れて移動するときは、ちょっとだけ旅行気分になれる。
自分以外のものを常にケアしなければならない責任感が、目に映る風景を
新鮮にしてくれる。それに、普段足が向かない土地にも行けるので、
それはそれでたのしい気分にさせてくれる。いつもと違う電車の路線も、
都内を縦横無尽に走るバスから見える街も、意外性がたっぷり詰まっている。

で、最近のわたしは毎週のようにチェロと旅にでる。
コイツは、無口で、頑丈で、誠実で、案外いい旅のみちづれである。




2001年11月24日(土)
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