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HELEN&HEAVEN
Helen
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2005年09月16日(金)
兄嫁





嵐山で小さな美術館をしている次兄の嫁は、隣県からお嫁にきた、すこぶるつきの倹約家だ。

田舎暮らしが好みの兄夫婦は、新婚当時、奄美大島に移住していた。

…とはいえ、奄美には仕事がなく、兄は幼子と嫁を置いて京都に出稼ぎに来ていた。

私も実家の母も、南の島は行ったことがない。

我々は有給をとって一週間ほど遊びによせてもらった。

「お義母さん、今日は天ぷらをしました。」奄美に着いた初日、兄嫁は控えめに言った。

さすが!気が利くわ〜♪
天ぷらだなんて、ごちそうしてくれたのねー。(^▽^)
申し訳ないわネーほんと!

…と、出された天ぷらの内容は、

サツマイモ・カボチャ・なすび・野菜のかき揚げなど…野菜ば〜っかりどすぇーっ!   ('-'*) きゃー

少し、お行儀が悪いのだが(どこかにイカやエビの天ぷらが隠れていないか?)意地汚く野菜の天ぷらをめくってみた。

無い!
無い!!
どこにもナッシングー!!!

その夜の総菜は、他に具だくさんのみそ汁のみ。

(奄美に居る間ずっと、こんな精進料理を食わされるのか?)危機感を感じた私は、1週間の間、晩ご飯係を受け持ち、簡単なカレーライスや焼そばを作り続けた。

それでも、朝昼は兄嫁が精進料理を作る。

借家は平屋で、居間と小部屋1つ、寝室1つ。一応、お風呂つき。
私と母は、トイレに繋がる部屋に寝かされ、それがまた、ボットン式で蓋もしていないもんだから、臭くてくさくてたまらないのと、母のカバのようないびきで、殆ど寝られないものだから、1週間の間に3キロ痩せて帰って来た。(笑)

兄嫁の節約ぶりは、ちょっと周囲を見渡してもいないぐらいで、
例えば…

・自転車がパンクしても修理しない
・ビデオデッキがこわれても修理しない
・掃除機が壊れたら箒ではく

こないだ行ったときにティッシュペーパーを1枚くださいとお願いしたら「今、切らしているし。」と、トイレットペーパーをくれたのには、内心ひっくりかえった。(爆)

ビデオデッキに関しては、たまりかねた弟がDVDを買ってあげていた。
美術館を造った時のローンが生活を圧迫しているらしい。
もっともローンがなくても、兄嫁は貯め込むのが好き♪

そんな兄嫁だが、決して腹黒いところはなく、むしろ天然ボケの癒し系で一緒に長時間居ても苦痛ではなく逆に和む。ケチは、ケチなんだけどイヤミにうつらないのは人徳か。

まったく割れ鍋に綴じ蓋とは良く言ったもので、我々兄弟はどちらかというと芸術家肌(ちょっとデフォルメ)の神経過敏のエキセントリックで、ギャースカ怒るときもあるし…
上手いぐらいにバランスが取れている。
兄には勿体ない人格者のお嫁さんだ。

どれくらい天然かというと…
「奄美に移住した時な、バタバタしてて風邪ひいたんかしらんけど、妙に熱っぽいナーっと思てたら、妊娠しててん。(*゜▽゜)ケロッ♪」

兄嫁は長い間、子供に恵まれなかったから「自分は子供のできない体質だ。」と思いこんでいたらしい。
良かった・良かったネ♪

そんな兄嫁が教えてくれたのが、写真日記で既出の『水キムチ』『温かいそうめん』『油そうめん』…。

今、美術館に私のお古のPCがあって、いろいろとセッテングや使用方法などをレクチャアしに行ったりしてんだが…

「今日は、お寿司買って来たぇ♪」と、ある日、兄嫁は言った。

(゜ロ゜;)エェッ!? 兄嫁の辞書に「お寿司」や「焼き肉」なんてあったのか?!(爆)

お昼ごはんが待ち遠しかったとも!

そうして出されたちゅうぶりのお皿の上には、

太巻き約1本分・カッパ・新香各2本ぐらい・いなり4つくらい・鉄火1本分…

しかも、それらで小学校3年の甥っ子と私と兄嫁の3人分をまかなわなければならない。(私の家では一人前だよ・笑)
せめて、おすましやみそ汁があれば、飢えをしのげるのじゃが…。

やっぱり、兄嫁の辞書には「ヒカリもの」という文字は無かった。(爆)

それでも、お料理のセンスは良いねぇ。

安価なミンチ肉は兄嫁の好むところで、ミンチを使った料理は多い。
温かいそうめんもそうだし、油そうめんもそう。
そうめん自体、太い方は安価だしね。

今度、機会があれば兄の家のエンゲル係数をそっと尋ねてみたいと思う。(笑)

美術館をしている関係上、いろんな人が出入りしていて…

兄嫁が「近所のおばあさんが、和の小物を持ってきてくれはってん。型紙ももらったし、私もつくってみたんえ。」と、金魚をくれた。

義姉さん!金糸をケチったんちゃうか、えらい貧相な金魚やで。

週末、美山にまた木材を買いに行くから、オブジェにそっと置いてきたろ。(笑)

カレーライスならカレーライスのみ!

焼そばなら焼そばだけ!

ただしハンバーグを焼けば、ライスがつく。

主に一品だけ食卓に、どーん!と乗るのが兄の家だ。

(栄養が足りてへんのんとちやうか?)と、小姑は秘かに思う。

(せめて、サラダがお漬けもんぐらいつけたれよ。)とも。

栄養が足りてないのか体質なのかはわからないけれども、この家族はしょっちゅう風邪をひいている。

行けば「熱が38°ある。」とか、しょっちゅう。

「医療費がかかるでしょう?」と尋ねれば、「医者に行ったのはお産のときだけ。」らしい。

この家族は風邪をひいても薬を飲まず頑張るエライ家族だ。(笑)

歳を取ったときに、おつりがこなければよいのだが、案外、貝原益軒先生の教えをまっとうしているから、私より長寿かもしれぬ。

「これ以上は譲れない。」ギリギリのところまで、見習いたいと思う。


私が【譲れない部分】の端緒に、メイド・イン・チャイナの食料品購入がある。どうしても買う気になれない。(兄嫁は安価な中国食品が大好き、主に業務用スーパーにあるんだけれど、ご用達にしているよう。私がこの国の食品をお勧めしないわけを、今度、このページにてそっとお伝えしたいと思っている。口で説明するより、視覚に訴えた方が直裁的でいいかもしれない、この場合。)
    ↓
中国の七色に輝く河川と食品

色は、どうも合成っぽいのだが、かの国に置いては食品添加物や漂白剤・農薬の限度枠が設けられていないという噂である。
仮に設けてあったとしても、それらをいちんち取り締まるのは至難のワザだろう。

今現在、身体に支障が出なくても…
10年20年後に出るとしたら、コワイ。

人間、加齢とともに身体のあちこちにガタが来るのは、ほぼ運命と言えようが、どうせなら汚染されない身体でラクに老齢期を過ごしたいと思うんであります。