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| 2005年04月17日(日) ■ |
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| Vol.565 たったひとりの男の子 |
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おはようございます。りょうちんです。
新年度が始まって、半月が過ぎた。新しい生活を始めた人も、慣れない環境に少しずつなじんできた頃かもしれない。 バイトのIさんは高校2年生の女の子。彼女は、高校は普通科ではなく家政科に通っている。家政科というくらいだから、国語や英語や数学といった一般的な教科の他にも、被服や調理や育児などの専門の授業も多くの時間組み込まれている。彼女の通う高校は家政科以外にも普通科や体育科もあるので一応共学なのだが、家政科だけは女の子しかいないらしく、彼女はまるで女子高みたいだとよく話していた。 しかし今年入学してきた新入生の中に、男の子がいるのだそうだ。しかもひとりだけ。40人ほどのクラスの中で、たったひとりの男の子だ。そのウワサはあっという間に広まり、どんな男の子がやってくるのだろうと入学式の前からもちきりで、彼女もずっと興味津々だった。「きっと見た目も性格も女の子みたいで、髪型も長めで趣味は編物とかしちゃいそうななよなよした女々しい男の子に違いない!」、なんて彼女はいろいろと予測していたのだが。実際に入学してきた男の子は、彼女の予測を覆して短髪のさわやかな普通の男の子だったそうだ。しかも彼女の最新情報によると、彼はハードな水球部なんぞに入部する気らしい。家政科という女の子ばかりの畑に、よくぞりりしくたくましい男の子がやってきたものだと俺は驚いた。 しかし、だ。俺の想像を超える毎日が、これからの彼にはおそらく待っているのだと思う。体育の授業の時は女の子に紛れて教室で着替えをしなきゃならないし、被服の授業ではワンピースやスカートを製作する予定なのだそうだ。何よりも男の子がたったひとりしかいないということは意識しなくても目立ってしまうだろうし、現にこうやって連日注目の的になっている。異性にはしにくい悩みだってたくさん出てくるだろうし、クラスメイトに同性がいないということは気軽に相談だってできないかもしれない。それでも、彼にとっては大切な3年間の高校生活に違いない。「がんばれ男の子!」と、俺も応援したい気持ちでいっぱいになった。
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