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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2005年03月10日(木)
Vol.552 魚屋さんの消息

おはようございます。りょうちんです。

俺が小学生だった頃のこと。週に一度、近所に移動式の魚屋さんが来ていた。銚子だかどこだかの魚市場で仕入れた魚をそのまま軽トラックに乗せて、朝早く家の近所にやってきて売るというもの。威勢のいい魚屋のおじさんの声が聞こえると俺の母も飛び出していって、手に入れた新鮮な魚がその日の夕食のおかずとして食卓に並ぶこともよくあった。近所のおばさんたちが集まる風景を横目で見ながら、そして俺も学校へと向かったものだった。
しかしある日を最後に、魚屋さんは来なくなった。最後にやってきた日、母は魚屋さんからこんなことを聞いたという。「検査のために入院することになった。検査入院だから安心しろとみんな言ってくれるのだが、でもなんだかイヤな予感がする。俺はもっと悪い病気にかかっているに違いない。入院している間は来れなくなるが、もしもこのまま俺がずっと来なかったら死んでしまったと思ってくれ…」と。そしてその日以来本当にやってこなくなった魚屋さんに、「やっぱり亡くなっちゃったのかもしれないね…」と、母は言うのだ。事実はどうなのか誰も知らないが、母も俺も魚屋さんの消息はずっと気になったままだった。
どうしてこんな話を思い出したかというと。先月の初め、俺は毎年恒例の健康診断を受けた。そしてその結果が返ってきたのだが、検査結果には「要精密検査」の文字が。どうやら俺のカラダに異常が見つかったようだ。このカラダ、どこかおかしいらしい。すこぶる健康だと思っていた俺は、あわてて病院へ行き指示通り精密検査を受けてきた。
例えば、コンスタントに書き続けているこのひとりごとが、何の予告もなくある日突然更新されなくなったら。俺は何かの病気で死んでしまったと思ってほしい。そう、あの魚屋さんのように。こんな話、あとになって笑い話にできればいいのだけれど。精密検査の結果が出る来週まで、俺には不安を抱えた日々が続いていく。