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| 2005年03月01日(火) ■ |
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| Vol.548 流氷を追いかけて |
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おはようございます。りょうちんです。
目的は、何が何でも流氷だった。冬の北海道に行くにあたって楽しみはもっと他にもあったのだが、どうしても流氷だけははずせなかった。風の向きや強さで、流氷はどんどん流されてしまう。昨日までは何もなかった海が、一晩明けたら一面流氷に覆われていることだってよくあるらしいのだ。 女満別空港へと着陸体制に入った飛行機からのぞいた朝のオホーツク海は、一面の青い海原。網走湖や能取湖は真っ白く凍っているのが確認できるのに、肝心の海は波立っているように見えた。まさか? 飛行機を降りるとすぐに、俺はその日に予約を入れていたガリンコ号へと問い合わせてみる。流氷砕氷船は紋別のガリンコ号と網走のおーろら号があって、あえて俺が遠い紋別のガリンコ号に乗りたいと思ったのは、ドリルで豪快に氷を砕きながら進むガリンコ号に魅力を感じたからだ。しかし、「今日は流氷を確認できないため観光船としての運行になります」との答え。関東地方にも春一番をもたらした発達した低気圧のせいで、流氷はどんどん沖へと流されてしまったという。俺は泣く泣く予約をキャンセルし、速攻で翌日のおーろら号の予約を入れることにした。午後、流氷館の展望台から見たオホーツク海に、流氷なんてまったくなかった。遥かに見える水平線は九十九里のそれと変わりなく、一瞬流氷と勘違いした白い塊は沖を進む船だった。 翌朝、おーろら号に確認の電話を入れてみたが、またもや流氷は来ていないとのこと。仕方なくキャンセルし、流氷を追いかけて俺は知床半島の中央部、ウトロへ向かう。海沿いの道を進むにつれて、徐々に海の中に氷の塊が見えてきた。プユニ岬から見る海はところどころ隙間が見えるものの、その7割が流氷に覆われていた。 最終日、流氷の上を歩く流氷ウォークに参加した俺。専用のドライスーツを着て、水平線に向かって流氷の上を歩き始めた。念願だった流氷の上に、やっと俺は立てたのだ。流氷を触り、流氷を口に含んでみた。すべてが感激だった。結局流氷砕氷船には乗れなかったけれど、俺はこうして流氷に出会うことができたのだった。
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