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| 2004年03月10日(水) ■ |
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| Vol.449 雪の露天風呂 |
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おはようございます。りょうちんです。
伊香保には、予定よりも遅く到着した俺ら。旅館に着き食事と温泉を済ませたあと、やがて俺らは深い眠りについた。 翌朝。カーテンをあけ、外の風景を見て俺は驚いた。一面の銀世界。夜遅くに降り出した雪は、一晩で伊香保の町を白く変えていた。ベランダから階下をのぞきこむと道路にもうっすら雪が積もっていて、旅館の人が雪かきに精を出しているのが見えた。普段寝起きの悪い俺もこの雪景色を目の当たりにして、一瞬で目が覚める。 ちょっと待った。チェーン持ってきてない。俺の車のタイヤ、スタッドレスじゃないし。てか、天気予報も雪とは言ってなかったし、伊香保町のHPで調べた積雪情報もライブカメラもチェーンが必要だなんて言ってなかった。ましてや細く急な路地を上がって辿り着いたこの旅館、雪の積もったあの坂道を普通のタイヤで下りてくなんて自殺行為に等しい。しまった。関東地方とはいえ、ここは山間部だった。TVの天気予報を見ると、それでも午後からは晴れるらしい。途切れなく落ちてくる雪も徐々に弱まって、かすかに空も明るくなってきたような気がする。じたばたしたって今はどうしようもないのなら、ここはあわてて車を出すよりも、しばらく様子を見て道路の雪が溶けるのを待った方が賢明かもしれない。 開き直った俺は、坂の上にある露天風呂まで歩いて行ってみることにした。しんしんと降る雪の中、少しぬるめの茶色い温泉に肩まで浸かる。湯船に身を委ねてぼんやり空を見上げてみると、湯気の中で火照った顔に幾粒もの冷たい雪が落ちてきて、なんとも心地良い。風情のある雪の露天風呂という予想外のシチュエーションに、俺は喜びを隠せずにはいられなかった。 1時間もたっぷりと露天風呂を堪能したあと、ひなびた石段街でおみやげを買う頃にはすっかり雪もあがっていた。道路の雪も、車の往来で完全に溶けている。よかった。ほっと胸をなでおろす俺。それにしても、雪の露天風呂なんて思いもかけないちょっとした贅沢ができて、ココロから大満足した俺だった。
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