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| 2004年02月11日(水) ■ |
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| Vol.437 卒業論文 |
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おはようございます。りょうちんです。
大学時代はさんざん遊びまくっていた俺だったが、学校の授業で勉強したものなんて皆無に等しかったのに、卒業論文なるものを書き上げないと卒業させてはもらえなかった。せっかくなんとか卒業後の就職先も見つかり、授業の単位もどうにかクリアできそうだというのに、卒論でつまづいて卒業できないなんて悔しい思いはしたくない。学生時代最後の本気を出してやろうと、俺は意気込んだ。 就職活動や教育実習が終わり、夏の間はアルバイトにいそしんだ俺は、卒論に本腰を入れ始めたのは大学4年の秋もかなり深まってからだった。友達がコツコツ下準備を進めているのを知り、何もしていなかった俺はあわてて取りかかった。俺は卒論のテーマを「方言」に決め、図書館に行って普段は開かない専門書をひっぱり出したり、いろんな知り合いにアンケートをお願いしたり、市役所に行って統計資料をもらったり。最初はどうなるのか自分でも不安だったが、作業を進めていくうちにどんどんおもしろくなり、気づけば卒論製作に夢中になっている自分がいた。 年が明けて、正月気分が抜け切れない時分から、俺はラストスパートに突入した。それまで調べ上げたものを、一気に書き上げる作業に入った。今でこそ俺もキーボードで文字を打ちこむなんて簡単にできるようになったが、当時は万年筆を使って大量の原稿用紙に手書きで書いていった。俺のゼミでは自作の地図も卒論と一緒に作らなければならず、文章を書く合間に地図の製作にも取り組んだ。 そして、卒論提出締切日の朝。ほぼ3週間、徹夜でがんばった俺の集大成をかばんに入れて、眠い目をこすりながら学校へと向かった。無事卒論を提出し、家に帰ってきてからはそれまで足りなかった眠りを取り戻すかのように深い眠りに落ちた。そして長い間眠り続けたあとふと目が覚めた時に、これで卒業できるという安堵感とすべての力を出し尽くした達成感が一気に襲ってきた。 あれからずいぶんたったけれど。どういうわけか冬の寒い真夜中になると、がむしゃらに卒論を書いていたあの頃の自分を突然思い出すことがある。
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