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| 2003年12月11日(木) ■ |
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| Vol.406 父へのプレゼント |
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おはようございます。りょうちんです。
昨日は父の誕生日だった。誕生日だからと言って、毎年特別にお祝いしたりするわけではなかったのだが、今年はどうしても父にプレゼントしたいものがあった。父へのプレゼントなんてもう何年もしたことがなかったから、誕生日なんていう理由でもないとプレゼントなんてちょっと恥ずかしいというのが俺の本音なのだが。 俺の目から見て、最近父はがんばっている。特に母が病に倒れてからの父は、昔の父に比べるとかなりがんばっているように見える。母とふたりして守ってきた店も、今は父がひとりで切り盛りしているし、母が生活する上でのサポートもやらなくてはならない。気持ちを安らげるための自由に使える自分の時間は、以前に比べたら極端に少なくなってしまっただろう。ストレスだって、きっとそれなりに溜まっちゃってるに違いない。昔、激しい衝突もあった父と俺だが、今はとてもがんばっている父をココロから誉めてあげたいと思った。 俺の決めたプレゼントは、財布。先日見かけた父の財布は、もうずいぶん使いこんで相当くたびれていた。かなり年季の入ったその財布は、父にしてみれば充分なじんで使いやすいのかもしれないが、さすがにそろそろ新しいものに変えたって良い頃だろう。そんな想いを胸に、俺はデパートの財布売場でじっくり時間をかけて、デザインからも使い勝手からも父にいちばん似合うステキな財布を探し当てた。 仕事が終わって急いで実家に帰ると、遅い夕食がちょうど始まるところだった。食事が始まってもなかなかプレゼントを渡すタイミングが見つからなかったのだが、今日が父の誕生日だということを母が話したのをきっかけに、俺もうまい具合にプレゼントを渡すことができた。父はひとこと「ありがとう!」と言って、包みを開き財布を取り出す。弟は「すげーじゃん!」なんて言って騒いでいたが、父は財布を手に取って見ながら、ただ笑っているだけだった。 俺の渡したプレゼントを父が気に入ってくれたかどうかはわからないが、俺は父にプレゼントができたということだけで満足だった。
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