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| 2003年11月30日(日) ■ |
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| Vol.403 イカ墨スパゲティ |
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おはようございます。りょうちんです。
高校生の頃だったか、イカ墨スパゲティの存在を初めて知った時、あまりのインパクトの強さに俺は一気にココロを奪われた。口に入れるものなのに、その色の黒さと言ったら。不気味な黒い物体は、いったいどんな味がするのか見当もつかない。また、食べると口の中が真っ黒になるというウワサも魅力的だ。俺は、すぐにでも食べてみたい気持ちでいっぱいになった。 ある日、友達と入ったとあるレストランにて。俺はメニューの中に、イカ墨スパゲティがあるのをついに発見した。迷わず注文する俺。やってきた現物は紛れもなく真っ黒で、おそるおそる最初のひとくちを口に含んでみた。うまい。イカの風味と塩味がマッチして、予想を超えるおいしさに俺は舌鼓を打った。 そして、口の中が本当に黒くなっているのかをチェック。友達から手鏡を借りて、とびきりのスマイル。鏡の中には、真っ黒な歯で笑っている俺が映っていた。自分の顔に、思わず吹き出しそうになった。昔の人がやっていたお歯黒とはこんなカンジなのかもしれない。舌やくちびるまでも黒くなって、なんとも不健康そうだし。あぁ楽しい、なんて楽しい食べ物なんだ。おいしい上に、こんなに楽しい経験ができるなんて。友達と一緒に、大笑いしながら俺はイカ墨スパゲティをたいらげた。 しかし、そんな楽しいことなんてすっかり忘れてしまっていた翌日。俺はトイレに行って驚いた。出したものまでが真っ黒だったのだ。まるで木炭のようなそれはあきらかにいつものとは違い、イカ墨を食べたせいだと気付くまでの数秒間はすっかり考え込んでしまった。 昨日、久しぶりにイカ墨スパゲティを食べた。以前食べた時よりもイカ墨の量が少なかったのか、黒さは少しだけ薄いような気がしたのだが。あいかわらずとってもおいしくて、やっぱり口の中も真っ黒になった。でもさ、イカ墨スパゲティを食べたあとに、さすがにチュウはできないよなぁ。
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