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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2003年10月24日(金)
Vol.387 胸の痛みが消えた時

おはようございます。りょうちんです。

あいつ、に会った。正式に別れてから1年半以上もの時を経て、その後新しい出会いがそれぞれにあり、お互い別の恋をしている中でふたりだけで会うのは、あの日以来初めてだった。久しぶりに会ったあいつは幾分痩せたようにも見えたが、一旦話しはじめるとあの頃と何も変わらないあいつだった。「考えてみたら、会うのは今年初めてかも?」の俺のコトバに、「じゃ、あけましておめでとうございますだね」とあいつは笑ってみせた。
あいつは、いろんなことを俺に話してくれた。あの頃よく会っていた友達のこと、最近の仕事のことや新しい恋の話など、あの頃と同じように俺はあいつの運転する車の助手席に座り、ずっとあいつの話に耳を傾けていた。俺はただ100%純粋な気持ちで、懐かしさを感じていた。別れたばかりの頃はやけどのようにひりひりと痛んだ胸の傷も、1年半という時間のおかげでいつのまにか懐かしい思い出に変わっていた。俺らは完全に友達に戻れたような気がした。
サヨナラをして夕闇にあいつの車のテールライトが見えなくなったあとで、俺はふと思った。そういえば、俺はあいつの話を聞いてばかりいたのに、俺のことはあんまり話さなかったな。あいつは、俺のことをいろいろ聞いてこなかったな。そう思うと、もう今じゃすっかり胸の痛みなんて俺は消えたのに、もしかしたらあいつはまだ胸が痛いままだったのかな、なんて気になってしまった。ホントは久しぶりに会った俺のことをもっと知りたかったのに、あいつは気を使って聞いてこなかったのかもしれない。あいつは、そういう人だ。
もしもそうだとしたら、俺はあいつに伝えたい。あの頃もとても楽しかったけど、俺は戻りたいとは思ってないんだ。今がもっと楽しいからね。完全に胸の痛みが消えた時、今度は友達として再び会いましょう。その時は、今日約束した銭湯にも一緒に行っちゃおうね。