初日 最新 目次 MAIL HOME


りょうちんのひとりごと
りょうちん
MAIL
HOME

My追加

2002年08月13日(火)
Vol.161 迎え盆

おはようございます。りょうちんです。

小学生だった頃、夏休みには田舎に帰るんだという友達がうらやましかった。なぜなら俺には、帰る田舎というものがなかったからだ。「なんでうちには田舎がないの?」と親にごねたこともあったが、「あなたの田舎はここでしょう」と諭された。たしかに。俺の実家はいわゆる本家なので、お盆には俺らが帰省するのではなく、親戚一同が実家に集まってくるのが恒例だった。最近でこそ何年かに一度の大きな法事のある年しか集まらなくなったが、昔はいとこやはとこなどたまにしか会わない親戚たちが、お盆中には毎年実家を訪れていた。
今日から盆の入り。迎え盆の今夜、休みだった俺は実家に帰って親や弟と準備をした。なすときゅうりに、足に見たてたおがらという割り箸のようなものを刺して、馬と牛のお飾りを作ったり。迎え火に持って行くちょうちんや線香を用意したり。そして夕方、迎え火のため墓地まで。墓地では線香やお供えををあげて、帰りには持って行ったちょうちんに灯をともして帰ってくる。
昔は、こんなイベントが夏の楽しみのひとつだった。なすときゅうりにおがらがうまく刺せなくて、カッコ悪い馬と牛になっちゃったり。迎え火のついでに、墓地の裏にある栗林にくわがたを探しに行って怒られたり。風でちょうちんの灯が消えないように、帰り道はやけに慎重になって歩いたり。今になってみれば、みんな懐かしい思い出だったりする。
俺はどんな宗教も信じちゃいないけど、こういう伝統みたいなものはこれからも大切にしていきたいと思っている。俺の記憶に残っているご先祖様は、数年前に亡くなった祖母しかいないが、毎年この伝統を守り続けていくことが、大好きだった祖母への最高の供養なのかもしれない。