断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2019年01月08日(火) 「エチカ」(2)

読解が果てしなく困難な哲学に
番組からかじって挑むエチカ第二回☆
書き写すだけでも、、困難を極めますw
しかしここが踏ん張りどころ 笑笑
行きましょう!


自由について


 精神の中には絶対的な意志、
 すなわち自由な意志は存しない
         スピノザ


私たちが当然のように(ある)と思っている意志
これをスピノザは否定します。
スピノザが考える意志とは?そして自由とは―
その独特の思想は、苦境に置かれた人を、
《自己責任》と突き放すのではない別の見方に
気付かせてくれます!
スピノザが考える自由の本当の意味を探る☆

先生は語ります
「最終的にエチカが目指す終着点は
 非常にシンプルなんですよね。
 《人間の自由》です」


 人間が自らを自由であると思っているのは、
 (すなわち彼らが自分は自由意志をもって
 あることを為し、あるいはなさざることが
 できると思っているのは)誤っている。
 そしてそうした誤った意見は、
 彼らが《行動は意識する》が
 彼らを《行動へ決定する諸原因》を
 《知らない》ということにのみ存するのである。


もう本当に文章だけでぶっ飛べるw
いやいや頑張ります。
人が(何かをしよう)という意志をもった背後には
その人をその行動に導いた何らかの原因がある、
理由がある、という文章です☆

自己の本性の必然性のみによって存在し、
自己自身のみによって行動に決定されるものを
私たちは(自由)と呼んでいる。
これに反して、ある一定の様式において存在し、
作用するように他から決定されるものが必然的、
あるいは(強制)されると呼ぶ。

しかし、スピノザは 私たちの心と体にある
固有の性質や本性があり、
その必然性にうまく従って行為できたときに
《人は自由なのだ》と呼ぶ。
逆に、自分の本性を踏みにじられ
何かを強制されているとき
《人は自由から限りなく遠ざかっている》
不自由とした。

これは大変わかりやすい例えの紹介がありました。
スピノザは魚にたとえている。

「魚は水の中で泳いで暮らすことを
 運命付けられていますよね?
 魚にとっての制約、条件ですよね。
 魚にとってはその水を取り除くことが
 自由になる、ということでしょうか??
 水の中で(制約にうまく従って)
 生きることができるときに
 《最も自由である》というのではないか」


どうやったらその人が力を発揮できるのか

ここに自由の正体を見出していた


これはダンスで学んできたものと一致する
わたしの先生の一人、黒沢美香さんなんかは
決定的にそれを見抜いていた。
今となってはわたしもそれを見ている。
どうしたらその人が自由なのか
その人がかがやいて見えるそれを
おどりと呼んでいます



強制の果ての《自殺》


エチカの中ではなんと、自殺について言及している

 自殺する人々は無力な精神の持ち主であって
 自己の本性と矛盾する外部の諸原因に
 まったく征服されるものである。

ここでいう(無力な精神の持ち主)というのは
もともとその人の精神が弱かった、
という意味ではなく、生きようとするチカラを
その人の本質と相容れない様々なものによって
完全に征服されてしまった無力です。


 何びとも自己の本性に反する外部の原因に
 強制されるのでなくては
 自己の利益の追求を、
 すなわち自己の有の維持を放棄しはしない。
 あえて言うが、何びとも自己の本性の必然性に
 よって食を拒否したり自殺したりするものでなく
 そうするのは外部の原因に強制されてするのだ。

 人は自殺とは言っても、
 自分で死を選んだ、と言うより
 死ぬことを選ばされている、
 死ぬことを強制されている状態なのだ。


これには唸ってしまった…
過去の自分にガチで当てはまってしまう
あの時の自分がそうだったからです
(このままじゃ踊れない)
(このままじゃ終わりだ)
そんな決定的な思い込み
自殺したい気持ちを「自分で選んだんだ」と、、
そう思っていた
その状態に、できることを諦めてしまっていた

思い返しても、たしかに
そのときにおいては
たしかに
できることがなかった
ひとつもなかった

これは、ほとほとおそろしさを感じます
そのときには(思い込むこと)を
(意志の自由)としていたんだから


先生は言った
「その人が持っているチカラと比べたときに、
 とてもその人の力では対応できないような
 大きな出来事や原因によって
 (圧倒)されて起こるんです。
 自殺したくなっている人の気持ちを
 とつぜん(なし)にすることはできません。
 だけれども、もしかしたら
 人が自殺と呼んでいる現象は
 外部にある原因によって
 引き起こされているかもしれない、
 ということを 知っていたら!!
 何かに気付けるかもしれません―
 何らかを(知る)ことによって、
 人間の気持ちに変化がおとずれる
 そんな可能性が生まれるんじゃないか」


つづく


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