| 2018年10月08日(月) |
「リトル・サーカス」 |
いよいよその日は来た。 前日から二日間に渡っての連日の本番。 第12回 オータムバレエコンサート わたしの出番はその二日目となる。
『リトル・サーカス』
役名は スチュワード さあどうですか? さあさあどうですか? すぐに日本語にできますかな? 笑笑 英語スペルにすると(Steward)
古来の封建制度における執事(執政)。 宮宰・家宰・家令に相当する役職。 のちにバトラーと兼任することが多くなり、 名称としてはあまり用いられなくなった。
そう。わたしはサーカス団の進行現場監督☆ これから繰り広げられる数々の催しの進行!! わたしの合図なしには、、
始まらないし、終わらない
全員が揃うのは本番当日しかなかった。 ちなみに通し稽古も数回しかなかった。 頭には叩き込んだが何よりも体に染み付いてない。 なんとも心もとないが、以前の記載のとおり、 全先生にとっては、記憶に染み付きすぎており、 おおよそ《放っておいてもできる》想像だろう。 決してわるい意味ではない。 このスタジオであたりまえが過ぎる演目なのだ。 なにしろ舞台道具の【バーベル】を、 全先生が【ダンベル】と呼んでいたくらいだw バーベルとダンベルじゃ、、大違いである。 バーベルは重量上げに使うやつで、 ダンベルは鉄アレイのことだ。 見た目の大きさからまるで違う。 この呼び方にはもちろん訂正を試みた。 重ねて言うが、 全先生がダンベルと呼んでいたのだ(超実話)
いや、確かにダンベルよりも軽いんだけどw
思い返しても面白い。 舞台道具としてのバーベルはこの作品の都合上、 本物のバーベルには程遠い軽量に作られたものだ。 それもそのはずで劇中で小さな子供が、わたしに (重いはずのバーベル)を投げつける、 ご無体なオチのためである☆
もちろん出演者たちは大いに練習を積んでいる。 そういうわけで最も危険なのはわたしなのだ。 会場ではシューティングが早巻きで行われていた。
到着するとリトル・サーカスの番が来ていた
そそそそそ…そんなバカなーーーーーーーーー!? 冷や汗なのか本物の汗だかわからない とにかく駆け込んだ 場面の照明確認なのでドンドン進んだ 本番前シューティングは一刻も早く終わらせたい。 裏方には申し訳ないのだがこれは全先生の総意。 出来るだけ重要なシーンを練習したいからである。 もちろん「照明も合わせて」のゲネプロだからだ。 そういうわけで、 リトル・サーカスは瞬間で最終局面までいったw そうして終わりのところだけ通すことになった ここでとんでもないことをおこしてしまう
突然始まった最終局面の流れ
本気で言い訳なのだが、それまでの飛ばし飛ばしが 瞬間すぎて進ませた各場面への整理が追いつかず…
ラストシーンを完全に間違えてしまった!!
これが鼻血を出すくらいのミスだった 相当落ち込んでしまった 本番当日だぞ リトル・サーカスのゲネプロは行われない もう次は観客がいる正真正銘、、本番だ―
ここで切り替えた 文章にしているから書いているが どんな本番でも同じだ
本番じゃなくてよかった
それにしても出演者たちは不安を覚えたはず。。 大先生もきっとそうだったはずだ… シューティングだったとはいえ 完全に間違えてしまったのだ いいや、引きずっちゃダメだ 切り替えた
本番直前。 わたしは大先生に直接言葉をかけられます。 どんな言葉だったか今では正確には思い出せない きっと先生も不安だったからだろう
「タイスケくん! 何をやってきてもいいわ!! 堂々とね」
本気で直前に投げかけられた言葉で、 正確な台詞じゃない気がするけれど、 記憶する限り上記だ。
そんな言葉をかけてもらえるほどのミスだった
何よりも 他の何よりも 先生がやさしいのが怖い
ダンサーとしてその言葉は聞いちゃいけない そんな言葉を先生に言わせてしまった そう痛切に感じた 言葉がやさしければやさしいほど 己の未熟さに大炎上している自分がいる もちろん先生に罪はない ほんとうにやさしいのだ これはあくまで自分の、自分だけのものだ
この悔しさも最初で最後だ
本番はパーフェクトにやりきった 膝は痛んだが自分にできる限りの5番を振り絞った 踊りを踊らせてくれる場面もあったけど、基本、 自分にできるのは最高の立ち姿でいることだけだ
大先生「本番は出来たじゃない!」
あたりまえですw 最初から最後まで通してもらえさえすればッッ すべてを頭に叩き込んでいます☆(爆)
立ち姿がよかった、そう言われるのが嬉しかった これまではもっと踊りを踊りたいと思っていた ダンサーでいる以上は 踊りたいと思っていない、なんてことはないが それでもそれよりもみんなの何かの役に立ちたい 立ち姿にこれほど真剣になれたのも、、 ◎リトル・サーカスのおかげだ◎
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