断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2015年10月06日(火) この世の経験が最大の目的

※つづきです
長かった更新もついについにのオーラスです!
ぜひご一読ください。 夢がひろがります

死の間際にこうした神秘体験をする仕組みが、
なぜ人間の脳にそなわっているのか。
立花さんは今回の旅で出会った脳科学者に
答えを求めます。

 プリンスエドワード島
 赤毛のアンですね
 ケンタッキー大学
 ケビン ネルソン教授 再登場

臨死体験の中でも特に神秘体験と夢の関わりを
脳科学の観点から研究してきた人物です。
神秘体験に関係する多くの脳の仕組みは
どう説明できるのか?なぜ神秘体験は起きるのか?

 『死と神秘と夢のボーダーランド』
  ケビン ネルソン著
  死ぬとき、脳は何を感じるか?
  最期に、脳はボーダーランドに入り込む―

立花さんは早速問いをぶつけます
「神秘体験の中で自分より偉大なものを
 感じる感覚はどこから来るのでしょうか?」

ネルソン教授
「それは脳の辺縁系によるものだとおもいます。
 辺縁系がどのように働いているのか
 詳細にはわかりませんが、
 神秘的な感覚は辺縁系で起こる現象なのです」

死の間際、どのようにして神秘体験が起きるのか。
ネルソン博士が関わりが深いと指摘したのは
脳の奥深くにある《辺縁系》
爬虫類にもあるという、脳の最も古い部分らしい。
《辺縁系》は長年の研究で、睡眠や夢という現象の
中心的な役割を担っていることがわかっていた。
ネルソン博士は神秘体験と夢が似通っている現象を
明らかにし、次のような仮説を立てました。

 死の間際、辺縁系は不思議な働きをします。
 眠りのスイッチを入れるとともに、
 覚醒を促すスイッチも入れます。
 楔前部など多数の場所が活性化。
 自らを強烈に自覚する状態となる。
 それによって、意識をはっきりと持つ
 極めて浅い眠りの状態となり、
 目覚めながら夢を見る《明晰夢》のような状態へ
 さらに辺縁系は脳内の化学物質を大量に放出、
 人をしあわせな気持ちで満たすと考えられる。
 同時に、
 神を感じるという側頭葉も活性化が始まります。
 こうして人は死の間際、
 現実だと信じながら幸福感に満たされ、
 神のような存在に出会う強烈な体験をする。

 神秘体験は
 《人が長い進化の過程で獲得した、
  本能に近い現象ではないか》

立花さん
「死ぬとき人は死と神秘と夢の狭間、
 ボーダーランドを彷徨うのですね?
 人の心はその境界を彷徨いながら
 臨死体験をして神秘を感じるのですね?」

ネルソン博士
「我々の研究でわかったのは、
 臨死体験をしやすい人は
《夢を見やすい脳をもっている》ということです。
 興味深いのはその鍵となる辺縁系が
 脳の古い部分だということです。
 辺縁系は進化の初期段階で生まれた部分。
 ですから、神秘体験をする能力は人間に
 もともとそなわっていたものなんです。
 しかし、脳のどれか一部分が私たちに
 神聖な感覚を与えているとはおもいません。
 臨死体験は脳の多くの異なる部分、
 異なる科学システム、異なる生理学的なシステム
 に関係して非常にゆたかな体験となります。
 たったひとつの原因ではなく、
 すべてが組み合わされた結果、臨死体験の中で
 神秘体験がもたらされるのです」

立花さん
「なぜ神秘体験をする能力が
 人間の心に備わっているのですか?」

ネルソン教授
「いい質問ですw 私も知りたいです!
 神秘体験は意識と現実の間で作り出される
 感動的で根元的な現象です。
 しかしその詳細はわかりません。
 そもそも科学というのは
 どのような仕組みなのかを追求するものです。
 なぜそのような仕組みが存在するのか、と
 問われても答えられません。
 私たち科学者に言えるのは “どのように
 神秘的な感覚が生じるか” だけです。
 なぜか?という問いへの答えは
 それぞれの人の信念にゆだねるしかないのです」

ここで “信念” という言葉が出てきたことに
わたしは度肝を抜かれました
信念というのはわたしたちの心の方向です
最後に “決める” そのあらゆる選択肢は
わたしたち自身にゆだねられてる
心の在処、心の行く末を知りたくて、
この番組を見ていたのに、
わたしたちはわたしたち自身にもどったのです

その対談の最後、立花さんは問います。
「死後の世界についてはどう感じていますか?」

ネルソン博士
「神秘的な体験をするときに脳がどのように
 働くのか?、という科学的事実は
 誰の信念も変えるものではありません。
 脳は必ず
《神秘的な体験に参加するように出来ている》
 のですから。
 しかし、それぞれの人が体験した神秘を
 どう受け止めるかは、
 必ずしも科学で証明する必要はないのです。
 臨死体験をして亡きお母さんに出会ったとき、
 それをお母さんの魂と受け止めるのか、
 お母さんについての記憶だと受け止めるのか、
 それはその人にしか決められない心の問題です。
 その人の《信念》の問題なのです」

信念。
信念でした。
神秘体験はわたしたちの信念に、
出会わせてくれるものかもしれません。


人間の心の謎に迫ろうとしてきた立花さんの旅。
科学の最前線で思索を重ねて見えてきたものは―

人の意識は脳内の膨大な
神経細胞のつながりによって生まれるということ

死の間際、特別な感覚を持ち神秘体験をするように
脳の仕組みができているということ

臨死体験は誰もが死の間際に見る可能性がある、
奇跡的な夢

番組はおおよそ死後の世界などない、
そんな方向に帰結しそうになっていたその最後。
意外な人物の登場で幕を閉じます―

 レイモンド ムーディ博士
 臨死体験を世界で初めて報告した人物

「私は以前よりも自分の心をよく見つめるように
 なったとおもうのです。
 心、意識はとても素晴しく魅力的ですが、
 前に立花さんに会った頃は、
 私は死後の世界を認めず
 他の説明をこじつけようとしました。
 しかしそれは死後の世界があると
 明確には言い切れなかったので
 認めることから逃げていたんだとおもいます。
 その一方で、今
 自分でも自分の言っていることに驚いています。
 客観的に考えてみれば死後の世界があり、
 人生の終わりにあの世が続いていると
 はっきり言える自分に矛盾を感じます。
 なぜそうなったのか、
 ほんとうに自分でもわかりません。
 私たちはよく比喩とか例えで考えますよね?
 それでいくと、私は自分の子供が生まれる前と
 生まれた後の《意識》を比べてみると
 子供が生まれた後の方が自分の意識が広がった
 ようにおもえました。
 なぜなら子供ができてからの方が物事を俯瞰して
 見られるようになったからだとおもいます。
 人が死ぬときにはしかし、それ以上に、
 意識が広がるのではないかとおもうのです。
 でも今はそれを想像するのは難しい。
 ひょっとしたら不可能かもしれない。
 この問題に答えるために最も大事なことは、
 ひとりひとりが生きてきた人生は
 《ひとつの物語だ》という考え方だとおもいます
 そもそも人生は
 死ぬまで理解できないものなのです。
 私たちが死ぬとき何があるのか?
 私たちの論理や思考が不十分なため、
 なかなか分からないのだとおもいます。
 ですから、貴方と私は考え方は違っても
 死に臨む者としては同じではないでしょうか?
 私たちはみんな自分が紡いできた物語、
 つまり人生とは何だったのか?
 その意味を知りたいと思いながら
 最期の時を迎えるのです。
 そして、死ぬときは
 臨死体験という冒険が待っているのです!
 私もあなたも好奇心を抱きながら
 人生を全うしていくのでしょう―」


この番組は 甚だ興味深いものでした
わたしはダンスを紡ぐために、
自分の奥底を覗かないわけにはいきません
今の自分が何を考えているのか
今の自分は何を大切にしているのか
改めて考えると《今》を誠心誠意
おどることがしたいのです
どうやったらありのままの自分を
取り出せるんでしょうか
そうして心の問題にたどりつくわけです
ありのままの自分をさえぎっているのは
おおよそ雑念、自分の心だからです!!

一体、心って何??

実際この番組にはかなり助けられました!
死んだら心はどうなるか
◎結局は自分で感じ取るしかない◎
しかし、わからないことは同じでも、
以前よりも圧倒的に考えがまとまりました
考えられるところまで考えられたからです

立花さんは番組の最後にこう述べます
「この番組の取材を通じて、死ぬことが
 それほど怖いことじゃないことがわかった。
 ギリシャの哲学者エピクロスが言ったのは
《人生というのは結局、アタラクシア(心の平安)
 を得るのが最大の目的》
 考えてみると、人間の心の平安を乱す最大のもの
 というのは
《自分の死について想念、頭を巡らせること》です
 しかし今はですね
《その心の平安をもって自分の死を考えられる》
 そういう気持ちになれた、
 良い夢を見たい、見ようという気持ちで、
 人間は死んでいくことができるんじゃないか、
 とおもいました」

おわり


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