断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2015年05月09日(土) 「Dior & I 」

映画終わって泣いてる人見たのは久しぶりでした

 『Dior & I 』
  そのドレスは世界を魅了する―

 Dior新任デザイナーと誇り高きお針子たちの
 パリ・コレクションまでの8週間。
 ディオールのアーティスティックディレクターに
 新しく就任したラフ・シモンズが8週間で開催する
 事になった2012年オートクチュールコレクション。
 様々な美しいドレスがランウェイで披露されるまで
 ラフ・シモンズとディオールメゾンの
 誇り高いお針子たちの舞台裏に迫る、
 ドラマティック リアル ドキュメンタリー!

面白かったのは一流メゾンのお仕事の仕組み。
ラフ・シモンズがインスピレーションを与えて、
そのすべては針子たちの技術に懸かっていること。

ここにこそ超一流の技がある

針子たちはラフ・シモンズの意図を汲み取って、
メゾンのプライドをもって最高の仕事をする。
どんな行程かというと、まず、ラフのデザイン画を
作業場の机いっぱいに広げて、
つくりたい服を針子たち本人に選ばせます。
職長は言いました。
「そのほうがいいものができる」
興味深かったのは、選ばない人がいたことw
その針子にインタビューするとこう言った。
「私は選べないんです。
 一番むずかしいものがまわってくるから」
これこそが職人の中の職人!!
自分も踊りでそんな発言がしてみたい!!
ラフ・シモンズもDiorメゾンの歴史をないがしろに、
好きなものをつくれるわけじゃありません!
Diorのすべてを引き受けなければならないのです。
自分の作品といえども、
Diorらしさを引き出してからのもの。
そのうえラフはオートクチュール未経験!
ここにおそろしい重圧がかかっていることを、
この映画はおしえてくれます。
なんといっても、
この後ろには商売が成立しているからです!!
事実、映画でもそんな話が出ます。
1seasonで5000万円を使ってくれる顧客。
その いち顧客のドレスのためにドレス部門職長が
世界へ飛ぶのです。
そのためにショーの服がラフのもとにこず、
ラフが怒りをあらわにする場面さえあります。
1つのショーを行うまでのたいへんな苦難。
これには正直、納得してしまいました。
ギリギリまで服を扱う針子たちや、
本番当日の不安と恐怖 その渦中のラフ。

そこから解放されるのは本番の後しかない

わかる。わかるなぁ…
圧し潰されそうになるプレッシャー、その恐怖!
わたし自身、またその恐怖のド真ん中に行こうと
しているんですからとんだ物好きですよね 笑笑
その恐怖は望まないと得られない恐怖です
でも、ここでしかできないことがあるんです。
ここに立ち向かえない人は舞台には立てません。
人に見られることはたいへんな恐怖です。
ソロ公演なんてことになれば震えが止まりません!
震えは舞台に出る寸前まで続きます

わたしは、ファッションショーではそんなことには
ならないだろうと思ってました
だけど全然同じでした
ギリギリのギリギリまで作業してた
最後の最後までいいものをつくろうとしていた
もしかしたらどこまでも終わりがないのかもしれない
そんなことをしているんじゃないか
舞台はいつだって完成ではなく節目
今できる最高のところにいこうとしつづけること
そうおもったんです
人にいいものを見せたい
気持ちを通わせたい
そんな根底の強さがなければ到底できることじゃない
ショーが終わったとき ラフは号泣してました

わたしは、ファッションの世界が
泣くほどのものだと初めて知りました


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Taisuke [HOMEPAGE]