断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2015年02月22日(日) 「砂の女」

かおちゃんが課してくれた小説2☆
ちなみに小説1は『一九八四年』でしたw
かなり絶望に似た気持ちを味わわせてもらえました☆
『砂の女』 えーっと、、これがまた、、 涙涙
きっと乗りこえろってことでしょう! そうしよう☆

 『砂の女』   安倍公房
  砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に
  埋もれていく一軒家に閉じ込められる。
  考えつく限りの方法で脱出を試みる男。
  家を守るために男を穴の中にひきとめて
  おこうとする女。
  そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、
  二人の生活を眺める部落の人々。
  ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる
  展開のなかに人間存在の象徴的姿を追求した
  書下ろし長編。
  20数カ国語に翻訳された名作。

〜昆虫採集に出掛けてさえいなければ〜
(※スマホも携帯電話もない頃の物語)

つい昆虫採集にかまけて終バスを逃した男の末路。
ひとりの人の良さそうな老人に誘いこまれた一軒家。
さらっさらの砂に埋もれた脱出不可能な一軒家。
その砂は、さらさらすぎて踏ん張れず、沈むのみ!!
その上、部落衆の監視付きッッ
もう、ほんとうに、まるでにゅうい…
監獄みたいdすッッ(爆)

 じっさい、教師くらい妬みの虫にとりつかれた存在
 も珍しい… 生徒たちは、年々、川の水のように自
 分たちを乗りこえ、流れ去っていくのに、その流れ
 の底で、教師だけが、深く埋もれた石のように、い
 つも取り残されていなければならないのだ。 希望
 は、他人に語るものであっても、自分で夢みるもの
 ではない。 彼等は、自分をぼろ屑のようだと感じ
 孤独な自虐趣味におちいるか、さもなければ、他人
 の無軌道を告発しつづける、疑い深い有徳の士にな
 りはてる。 勝手な行動にあこがれるあまりに、勝
 手な行動を憎まずにはいられなくなるのだ。

日常に救いを求めるも希望を見出だせない男!
それでもなお脱出を試みる主人公・男!! 笑笑
職業は教師です―
そんなこともまるで役に立たない暮らしが始まる。
砂掻き、砂掻きの毎日です。。来る日も来る日も…
砂を掻き続けなければ埋まってしまう!!
そんな中でも男は賢く、脱出に成功しますがッッ

 「納得がいかなかったんだ…
  まあいずれ、人生なんて、
  納得ずくで行くものじゃないだろうが…
  しかし、あの生活や、この生活があって、
  向うの方が、ちょっぴりましに見えたりする…
  このまま暮していって、
  それで何うなるんだと思うのが、
  一番たまらないんだな…
  どの生活だろうと、そんなこと、
  分りっこないに決まっているんだけどね…
  まあ、すこしでも、
  気をまぎらわせてくれるものの多い方が、
  なんとなく、いいような気がしてしまうんだ…」

孤独地獄。
これは、ほんとうに入院しているときに
読まなくてよかった… そうおもいました。。
そのあまりに絶望的な内容に―

 いつか、孤独地獄という銅版画の写真を見て、
 不思議に思ったことがある。
 一人の男が、不安定な姿勢で、宙に浮び、
 恐怖に眼をひきつらせているのだが、
 その男をとりまく空間は、虚無どころか、
 逆に半透明な亡者たちの影で、
 身じろぎも出来ないほど、ぎっしり埋めつくされ
 ているのだ。 亡者たちは、それぞれの表情で、
 他を押しのけるようにしながら、
 絶え間なく男に話しかけている。
 どういうわけで、これが孤独地獄なのだろう?
 題をつけ違えたのではないかと、
 その時は思ったりもしたものだが、
 いまならはっきり、理解できる。

 孤独とは、幻を求めて満たされない、
 渇きのことなのである。


こんな描写を読まされると、
去年の入院よりも、6年前の記憶が思い出された。
寝たきりの入院生活。
感覚的に、おそろしく近いものを感じるんです…
自分ではどうにもできない不可避的な状況。

そこで対決してきた《もうひとりの自分》

長く入院生活を味わっていると、観念からか、
病院にいるほうが幸福にも思えてしまうのです
退院するのが怖くなってしまったりするのです
わかってもらえないかもしれませんが、
自分自身を見失ってしまうような大変な経過です

自分の人生が取り込まれていくような感覚

それは、非日常が《あたりまえ》になったとき。
その感覚が自分を犯しています!!
考え方、しいてはその性格さえも変わりかねません。
ここでは語りませんが、
『砂の女』にはとんでもないラストが待っています
その場面に同じ感覚を感じずにはいられませんでした

置かれた環境で《人》は変わってしまうこと

 ◎長い休暇には毒がある◎

大事なのは目的を決して見失わないこと。 そして、
一時的な状況を《あたりまえ》にしないことです!!


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Taisuke [HOMEPAGE]