断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2015年01月30日(金) 「一九八四年」

《ビッグブラザー》率いる党が支配する全体主義的
近未来。 ウィンストン・スミスは真理省記録局に
勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。 彼は
以前より、完璧な屈従を強いる体制に不満を抱いて
いた。 ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちた
ことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと
噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…
20世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場!

 『一九八四年』 ジョージ・オーウェル

20世紀世界文学の最高傑作!?
マジですか?? ほんとうですか??
入院にあたって、貸してもらった最初の一冊。
激痛や鈍痛、毎日のトレーニングに邁進した結果、
入院中まったく読めませんでした。。
唯一のファンタジー『NAMU』だけ読めた件w
退院してからは大量に積まれた本を片っ端から
読破にかかりました―
たぶん12月には、数冊は読み終えていたはず。
しかーし! blogにするのを忘れていました…(爆)

 《思考犯罪》は死を伴わない。
 《思考犯罪》が即ち “死” なのだ。

 自分が死者であると認めてしまうと、可能な限り
 生きながらえることが大切に思えてきた。

この小説の世界では《思考》が機械に読み取られて
しまいます。 そして一息に裁かれてしまうんです。
とんでもない世界でした…
すべてが党に統治され、人間の尊厳が奪われる話。

 党の狙いは、単に男女間にコントロールの
 きかない忠誠心が成立するのを阻止すること
 だけではない。 公言されてはいないが、
 真の目的は性行為からすべての快楽を除去する
 ことなのだ。 敵視されるのは愛情よりもむしろ
 性的興奮であり、それは夫婦間であろうとなかろ
 うと同じだった。 党員間の結婚はすべて、任命
 された専門委員会の承認を得なければならない。
 そして、基準は一度も明言されてはいないが、
 当事者たる男女が肉体的に惹かれあっていると
 いう印象を与えてしまうと、決して承認は得られ
 なかった。 公式に求められている結婚の目的は
 ただ一つ、党に奉仕する子どもを作ることだけで
 ある。

こんなのが果たして人間らしい未来といえるものか

 彼は思い至った―
 危機的瞬間にあって人が闘うのは絶対に外部の敵
 ではない、常に自分の肉体と闘うことになるのだ。

この文章には唸りました…
ある意味、わたしたちはいつも自分自身の存在と
闘っているんじゃないでしょうか???
これからどうするのか。 どっちを選択するのか。
最後は常に自分に問うているのと同じだからです。
党にその《選択を強いられている》、
ウィンストンはついに “あの本” を手に入れます。

 その本は、彼を魅了した。
 いや、正確に言えば、彼を安心させた。
 ある意味では、何ら新しいことを教えられるわけ
 ではないのだが、しかしそれも惹きつけられた
 一因だった。 その本は、もしバラバラの思考を
 自分できちんと秩序立てることができるなら、
 自分の言いたかったことを行ってくれているのだ。
 これは自分と同じような精神、しかもはるかに
 強靭であり、ずっと論理的で、恐怖に怯えてなど
 いない精神が生み出したものなのだ。
 最上の書物とは、読者のすでに知っていることを
 教えてくれるものなのだ、と彼は悟った。

もしかしたらこれは “本当” かもしれない。
そう思いました。
感動が巻き起こるとき。
それは、知らなかったことがわかったとき。
そう思ってた…
でも、よくよくその “知らなかったこと” を考えたら
実は “知っていた” ことだと気付いたりしませんか?
これには驚きました
人間の想像力は偉大で、考えたことがあるからです!
わたしはダンスでその “みんなが知っていること” を
掘り起こそうとしているだけなのかもしれません!!
知っているのに忘れている、大事なこと。
そしてウィンストンは捕まってしまいます。

 「君自身こうなると分かっていたのだよ」
 オブライエンは言った。
 「自分を誤魔化してはいけない。
  君には分かっていた―
  ずっと前から分かっていた」
 彼はいま悟った、そうなのだ、
 前から分かっていたのだ、と。
 しかしそれについて考える余裕はなかった。
 目が向くのは看守が手にしている棍棒だけ。
 どこに打ち下ろされるか分かったものではない。
 脳天か、耳の先か、二の腕か、肘か…
 肘だった!彼は崩れ落ちるように脚を屈していた。
 感覚がほとんど麻痺し、打たれた肘をもう一方の
 手で押さえた。
 何もかもが爆発して黄色い光になった。
 想像できない、想像を絶することだった、
 たったの一撃でこれほどの苦痛を感じるとは!
 光が消えて、自分を見下ろしている二人の男の姿
 が目に映った。 絶対に、どんな理由があろうと、
 苦痛が増すことなど望むべくもない。
 苦痛について望みうることは一つだけ。
 それが止むこと。
 肉体の苦痛ほど悪いものはこの世にない。
 苦痛を前にしたら、英雄もへったくれもあるものか
 床の上で身悶えし、使えなくなった左腕を空しく
 抱えようとしながら、繰り返し彼はそう思った。

腕や脚が動かなくなったら―
これはもう、そうなってみないとわかりません。
気が付いたら病室にいた、そのときわかること…
苦痛は心を蝕みます。 それも尋常じゃあない
わたし自身、何度涙を流したか知れません
さあ物語の核心に迫りましょう!!
ウィンストンはおそろしい拷問を受け続けました―
そんな中でウィンストンは答えを考えるのです。

 党は利己的な目的で権力を追求しているのではなく
 大多数の利益のためである。 党が権力を追求する
 のは、人間が全体として意志薄弱で臆病な生物であ
 って、自由に耐えることも真実と向かい合うことも
 できないから、自分よりも強い他者によって支配さ
 れ組織的に瞞着されなければならないためである。
 人類は自由と幸福という二つの選択肢を持っている
 が、その大多数にとっては幸福の方が望ましい。
 党は弱者にとって永遠の守護者であり、他者の幸福
 のために自らの幸福を犠牲にしてまで、善を招き寄
 せようと悪を行う献身的な集団なのだ。 このよう
 にオブライエンの発言を先取りしたウィンストンが
 恐ろしく思うのは、自分がこうした主張を信じてし
 まいそうなことだった。 相手の顔にそう書いてあ
 るのが分かる。 世界が現実にどのような状態にあ
 るか、大多数の人間がどれほど堕落した生活を送っ
 ているか、党がどのような嘘と残虐行為によって彼
 らをそうした状況に閉じ込めているか、オブライエ
 ンはウィンストンの千倍も熟知している。 彼はそ
 れをすべて理解してしまい、すべて計算してしまっ
 た上で、そんなことは問題ではない、究極の目的に
 よってすべては正当化される、というのだ。
 ウィンストンは思う―
 自分よりも高度の知性を持った狂人に対して何が言
 えるというのだ?
 こちらの言い分に十分耳を傾けながらも、自らの狂
 気じみた主張をやみくもに押し通す人間に対して?

これは、生きていれば必ず出くわすんじゃないかな…
そんな人がこの世にはわんさかいます。
わたしたちでさえ、そうなり得る人間の一人です。
わたし自身もウィンストンのようにギリギリまで
なんとかしようとしましたが、
それでもダメだったケースがありました。。
狂人だと思った人さえいます。
わたしたちがすべきことは、
あやまちから学んで成長することです!
その原因を決してそのままにしないことです!!

 次第に眠っている時間が短くなってきたものの、
 ベッドから出たいという気持ちにはまだならな
 かった。 頭にあるのは、静かに横になってい
 ると身体に力の溜まってくるのが感じられると
 いうことだけ。 何度も指で身体をあちこち触
 っては、筋肉が徐々に盛り上がり、皮膚に張り
 が戻ってきているのは幻覚でないことを確かめ
 ようとした。 ついには、体力の回復している
 ことに何ら疑いの余地がなくなった。 腿はは
 っきり膝よりも太くなった。 それからは、最
 初は気乗りがしなかたものの、規則的に運動を
 始めた。 少し経つと、監房内を歩き回る歩数
 で計って、三キロほどを歩けるようになり、前
 屈みになっていた肩も元のようにまっすぐにな
 ってきた。 だが、さらに難しい運動を試みよ
 うとしたところ、できないことが多すぎて驚き
 また屈辱を覚えた。 歩くのはいいのだが、走
 ろうとするとそれは無理。 腕を伸ばしたまま
 椅子を持つこともできない。 片足で立とうと
 すると倒れてしまう。 深くしゃがんで立ち上
 がろうとすると、必ず腿とふくらはぎに激痛が
 走る。 腹這いからの腕立て伏せを試みたが、
 まったく話にならず、身体が一センチも上がら
 ない。 それでもさらに数日経つと―
 何回かの食事を終えた後で、ということだが―
 そんな芸当も何とかできるようになった。
 そのうち六回も続けてやれるまでになった。

その文章は、正直、リハビリを続けるわたしにとって
とんでもないリアルでした
術後、太ももが膝よりも細くなってしまったんです
試みてダメだったときのあの気持ちがよぎった。。

その後、ウィンストンがどうなったのか…
ここでは語りますまい。
この小説は1949年に発表されたものですが、
今読んでも全然堪えます。
1984年の未来を描いた小説は、
2015年の今を軽く凌いでいます!
そう考えたら物凄い小説ですッッ
ここでもう一度記述して終わりにしましょう☆

 党が権力を追求するのは、人間が全体として
 意思薄弱で臆病な生物であって、
 自由に耐えることも真実と向かい合うことも
 できないから、
 自分よりも強い他者によって支配され、
 組織的に瞞着されなければならないためである。
 人類は自由と幸福という
 二つの選択肢を持っているが、
 その大多数にとっては幸福の方が望ましい。
 党は弱者にとって永遠の守護者であり、
 他者の幸福のために自らの幸福を犠牲にしてまで、
 善を招き寄せようと悪を行う献身的な集団なのだ。

 世界が現実にどのような状態にあるか、大多数の
 人間がどれほど堕落した生活を送っているか、
 党がどのような嘘と残虐行為によって
 彼らをそうした状況に閉じ込めているか。

幸福って何なのでしょうか。。
自由と引き換えにして得るものなんでしょうか??
わたしは自由に踊る勇気を持ちたい
そして自由に耐えて真実と向き合いながら
ダンスの中に、幸福を見出だしたい!!


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