断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2013年04月04日(木) マジェスティック・スタンド

 孫は… これで良かったのでありましょうか?
 親を… わしの息子夫婦をスパチュラの内戦で亡くし…
 幼い内から巫女として生涯この宮から出ることもなく短い人生を…

 愚問じゃ
 若くして死んだ者へはその未来と可能性を嘆き…
 長き人生を全うし老いて死んだ者へはその人生の記憶を惜しむものじゃ
 老いたそなたがこの世から去っても 若きムグミカが去っても
 人は同様にその死を惜しむであろう
 人の死は肉体と精神の死だけではなく…
 死んだ者の事を思い出してくれる者がひとりもいなくなった時こそが
 真の死と思う時もある…

いつも、いつでも考えるときがきます  “ほんとうにこれで良かったのか”
その悩みはいつも、いつでも“生きているわたしたち”にあるものですよね
わたしは、わたしがわたしであろうとしていればそれでよいと感じています
いつも今の自分が選べる一番のBestをあきらめないこと
相手があることには、どうにもならないときはどうにもなりません。。
そうだとしても、その時はどうにもならなくとも、
その後の時間と経験が、いつか和解できる術をおしえてくれると信じています
しかしそれは自分を固めていくことでは得られない気がします
“わたしたちがわたしたちであろうとすること”
それは“努力”ではないでしょうか
そしてそれこそは、よりよくありたいとする力になり、
わたしたちに目標を見出させるすべての原動力ではないかとおもうのです

 じゃが… ムグミカよ…
 お前がわしを呼んだのはこの時のためではあるまい?
 それは… AD世紀と全人類の歴史に無うて今、この世にあるもの…
 そうじゃな?ムグミカよ… そやつらをわしに見せたかったのじゃな?
 そやつらに我ら人類が順ずるか諍うか…
 絶対的な者に対しての中庸はない!
 我らが人類の盾となり武器となる旧時代のわしと騎士の頂点である
 “十曜の守護者”を呼んだのであろう? 神との対峙のために
 (Reboot 7)

上の台詞はナインさま(古代超文明人類の頂点?)の台詞です。
そんな中でどうしてもひっかかる箇所。
それは―

「絶対的な者に対しての中庸はない!」

これは、これは認めたくないところです。。
これがほどけなかったら…
人を成長させるお互いの競争が、ほんものの争いになってしまいます!!
他の考えや意見を聞けないことは主義主張を押し通すこと。
そんなことを続けていてはいつか戦争になるのも道理です。
そうならないことを選ぶなら他者とかかわらないこと。
これなら自分自身の主義主張を変える必要はありません。
だけどこれは他との断絶ですからそれがいいともおもえません。
「人に期待しない」なんて言う人ほど期待しているものです。
だってほんとに期待しないんだったらなんにも言わなくていいことだもんねw
誰にだって、わたしにだって譲れないものはあります。
でも、それが“よくない”ものだとおもうならそれを打ち破りたい。
いつもお互いをいいものにしていきたいですね

 なるほど星団中の騎士団が目をつけるだけのものはあるようですね…

 まあしかし いいタイミングで出て来てくれたなブラフォード
 あの少年は自分の価値を良くわかってる
 対等以下の取引には応じないし 金や名誉につられる事もない
 その自分の価値をヘコますには
 自分より強い者がゴロゴロいる場所にもって行くのが一番さ
 そこでこっちが折れる形で条件を飲んでやると…
 まあ見事にハマってくれたが あいつはここに来るしかなかったかもな…
 あいつが求めてるのはデコースとの私闘だ
 騎士になって国のために闘うことではない
 あれではどの騎士団とて永久に平行線だ
 自分の条件を飲むところなどあるまい
 あの少年がいかに才能あろうとあの目の奥にやどるファティマの魔性…
 あれが抜けぬ限り騎士としても人としても行く場所はない

 不思議に思います… ちらと感じただけですが…
 あの少年は私のような無頼の型ではなく ランド公やクリサリス公のごとき
 品のある立派な騎士の基本をもっていると…

 その通りだ  それがいちばん恐ろしいことでもある つまり…
 ファティマ・エストがとっくにあの少年を超一流の騎士として
 鍛え上げ終えている…という事なんだろう 恐るべきファティマだよ…
 (Reboot 7)

ここで目を見張った台詞は“自分の価値をヘコます”です。
わたしは今の自分のままでいいと思ったことはオマケ人生一度もありません。
いつだってもっともっといけるはずだと信じています。
そんなわたしは実のところ今もヘコんでばかりです。
“できない”ことを練習しているわけですし、
できない自分自身にむしゃくしゃすることばかりですからね。
それでも、できないことを自覚しなければできるようには絶対ならない。
己を知ることがなりたい自分に近づいていくためのなによりの早道です。
なにも出来なかった自分でしたが少しずつ出来るようになっていきました。
しかしそれには自分をヘコますこと、負けることが必要でした

 ファティマ・ヒュートラン 信じる信じないは別にして教えておいてやろう
 バランシェ公のクーン、パルテノを上回るスペックをもつ正真正銘の最高傑作
 だがバランシェ公はそのヒュートランにさらなる高度なプログラムを与えた
 “自己鍛錬プログラム”
 自らのもつスペックにさらに磨きをかけるためヒュートランが選んだ結論は
 “弱い騎士をパートナーに強い騎士と戦う”
 彼女が求めるものは最も苦戦する戦いだ
 そのためのパートナーは強い騎士 並の騎士ではだめだ!
 ヒュートランの性能では並の騎士ですらほとんどのMH戦は楽勝となる
 それでは意味がない
 従ってヒュートランは最弱クラスの騎士を求め、
 強力な騎士とMHだけを相手に戦うことによって自分の能力を鍛え上げる!
 なんと見事なプログラム!
 さすがバランシェ公だ 誰にもマネはできない…

 弱い騎士しか選ばないってコトはさァ…
 星団最強の性能が全然意味ないじゃんっ?
 バランシェ公って… アホ?

 では聞くが 貴様 自分の最高傑作にそれができるか?
 それができる者こそ超一流と呼ばれるのだ!
 なぜだ? それは最高作が生まれた瞬間に“次”が見えるからだ!
 凡人から見ればヒュートランは欠陥品で失敗作だ
 だが超一流のファティマだ
 桜子… バランシェ公を目指していると二流に終わるぞ 自分だけを追え!

この件には唸りましたね。。 欠陥品で失敗作と同時に最高傑作だなんてね
凡人からしたらほんとに「アホ?」とか思っちゃうよなァ…
でもそれを“やっちゃう”のが天才なのかもしんないよねw
なんだか納得できちゃったよ!!
さぁ凡人でも天才でもできることを探そう。

それは“次”が見えること

これは凡人だろうが天才だろうができるんじゃないかな??
でもそれには“最高”を目指していることが前提かもしれません。
今できる全力をつづけていけば絶対に“次”は見えるよね
だから次が見えないっていうのは本気でがんばってないんじゃないかな
一握りの天才って想像力や直感が凄い人のことを言う気がします
天才は、出来る人のことをいうんじゃないかな
それまでは“天才”とは呼ばれないんじゃないのかな  結果じゃんw
天性の才能が必要なものもある、だけど多くのプロセスはおおよそ同じだ!
何かに向かっていく姿勢は同じじゃないか!?
たとえ結果を導き出すことが出来なくても、その工程は天才と同じだ!!
結果が出なくともその努力はかけがえのないものだとおもいます
誰か一人が名声を得てしまうような世の中ですが、
ほんとうはそのひとりひとりに光があてられてよいのだとおもうのです
上には上がいるのが世の常です
だからといって上の人間だけが素晴らしいんじゃない
わたしたちに同じ人間がひとりもいないように
わたしたちひとりひとりに輝きがあることが真実だとおもいます
その努力が本物であればその輝きは比較できないはずです
そういう意味で、最後は“自分だけを追え”ってただしい気がするのです


長くなりましたがReboot 7までたいへんな長旅でしたw
これからも長い物語が長くつづいていくでしょう。
長い年表をピンポイントで描いてこの長さですからね。
まったく物凄い作品です!
2013年、ファイブスター物語は連載再開。
世界は一変してましたw  MHはGTMに名称改竄その姿も刷新!!
Reboot 7 の最後には作者の決意が記されてた。

 いよいよ連載が再開する。
 しかし、再開と共に僕とファイブスター物語は
 多くの読者を失ってしまうかもしれない。
 アーティストとして生きていくことを決心して以来
 「自分がおもしろいと思わないものを描けるか!作れるか!」
 という一念でここまでやってきた。
 1年365日作品とロボットデザインのことばかり考えている人間など
 どう考えたってまともではない。
 そんな永野護によくぞ今まで多くの方々がおもしろいと言い、
 デザインがすばらしいと言い、ついてきてくださった。
 あらためて感謝すると共にお詫びを申し上げる。
 そして「オートマチック・フラワーズ・エスト」が登場する。
 その彼女を見てあなた方は何を感じ、何を思うのか?
 巨悪きわまる「アシリア・セパレート」のデザインに惹かれる方が
 ひとりもいなくとも僕は描き続けることだろう。
 「だって、これがすごいと思ってるんだもん」だ。
 変化を恐れるのは老人だけだ。
 立ち止まるならその立ち止まった時点で死んでしまえばいい。
 変化のない未来など夢も希望もないと言うことだ。 僕はそう思っている。

自らの世界で現実を切り拓く意志
自分の道を進もうとするすべての者にそれは課せられているのだと思います


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