断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2013年04月02日(火) 「The Five Star Stories」

連載25周年、今なお不定期連載がつづく生きながらにして伝説のマンガ。
そして、その伝説とともに完結することはないでしょう。
T町さんが課してくれたReboot最新巻7までを地道に進めてきました!!
な、長かったw 〜あまりにも立ち止まらなければすすまないのだ〜
ええとあの人がこれで、こっちの人はあれ、、どれだっけ??
この人は某国の子孫で、今はどの国にいて、、なんで??
違う世界の話だから人間の年齢では計れませんw  何百歳とかだものね
その上、神様がヤオヨロズ的に蔓延しており、その力関係に混乱が絶えないw
かつてこれほどまでに読みごたえある“マンガ”に出会ったことないよ―

 『The Five Star Stories』 Reboot   永野護

そもそも事の発端は映画『花の詩女ゴティックメード』を見てから。
ちなみに昨年のお話ですw
FiveStarのことは知ってはいたが、まともに読んだことは一度もない。
それでいて、ただ漠然とゴティックメードを見に行ったのである。
騎士とかロボットとか、もうぜんっぜん設定わからなかったわけです。
見た感じでぜーんぶ処理したわけですよ!!
そんなわたしはT町さんに戒められるように原作が手渡されますw

「貴様に読めるか? 読めなければどうなるかわかっておろうな?」

えっ!? もしかしなくても体育館裏ですか!?(爆
T町さんの風貌はローマ教皇のようでした。
ローマ教皇が体育館裏ってどういうこと??
重圧とともに、読み終えてみると物凄いマンガだとわかります。
壮大すぎる歴史モノでジョーカー太陽星団年表に意識ぶっとびましたw
AD世紀と星団暦はAD4000〜星団暦7777まで。
マンガはあらゆる時間軸を超え、次元さえも超えて展開していくその様!!

もう無茶苦茶ですw

ところが、その無茶苦茶が凄いということに気づかされる結果なのだ!!
作者本人のインタビューでは、
F.S.S.はおもしろいってだけじゃダメなんだよね
「すっげー!」って言ってもらわないと、ってありました。
その上での“何より自分がつまんねーもん描きたくないし笑”ですw
ひとつの史実を焦点にしながらこれだけの登場人物とその収束。
フツーにそれだけでもんのすごいんである。 〜天才だろこのヒト〜

登場人物でまともなのってコーラス3世だけじゃないかなw

こんなマンガを25年も出来るのは好き好んで描いてるからでしょうw
さて早速いってみましょう、唸った台詞から。

 邪心や権力欲以外でも戦争は起こります
 国民が自分の国に愛着と誇りを持つのは当たり前ですが…
 行きすぎた誇りは、得てして他国を低く見てしまうことがあるようです
 そんな行きすぎた思いが国民全体に行き渡ったり…
 国民がその驕りに気づかなくなった時、
 他国とうまくかみ合わなくなったりして
 他国への不理解となり わだかまりや偏見が生まれ 敵意が芽生える
 相手国から見ればそれは不当な圧力と見え、
 反発が生まれることがあるかもしれません
 それとは別に、生きがいや愛情の対象を見つけられなくなった人間は、
 はけ口を求め 行きすぎた考えをもつようになるかもしれません
 そういったことのないよう 誰かがコントロールするのではなく、
 自然に人々が一つ一つの国家も 一つ一つの家族のように
 世界という一つの町内の中で
 うまく生活していけるようになればよいのですが

 そうはいっても人間はバカだからな
 こーゆーオレたちをどこかで面白がって見てる奴がいるんだぜ

 確かに今のジョーカーは末期的だ
 自分の歩く道が見えにくくなっている

 でも僕らは神のおもむくままに全力をあげて良い方向へ
 もってゆくしかないと思います

 愚かな人間たちの行為は 全て時間と歴史の中に記録され
 はるかなる未来に何者かの失笑をかうでしょう
 (Reboot 2)

この物語は星間戦争でもあるのでたいへんなんですが、
これは対人でもおおよそ当てはまることではないでしょうか?
自分自身に誇りを持ちすぎると他者を低く見てしまうことがあるはずです。
自分がその驕りに気付かなくなった時、他者とうまくかみ合わなくなり、
他者への不理解となり わだかまりや偏見が生まれ 敵意が芽生える。
国家間でも対人でもその考え方の根本は同じかもしれません。

わたしたちに必要なのはどんなときも“聞くこと”でしょう

耳を傾けることをしなくなったときこそが一番危険なときです。
いつでも“聞ける”度量がほしいものですよね。
これは、人間力を見るときにはたいへん大きな要素かもしれません。

 陛下!! なにゆえバッハトマに手を打たれませぬ! ただちに挙兵を!!
 国民は臣下の仇を討たぬ非道といきり立ち、
 他国は陛下を腰抜けと叫んでおりまするっ!!

 どうもしないよ
 わずか3人でこの城に攻め入った彼らに
 あっぱれ見事なりと賞賛する以外何があるの?

 なっ… なんですと!!
 それでは死んでいったミラージュ騎士がうかばれませぬ!!
 陛下に永遠の忠誠を誓った彼らのたむけと玉座を汚されたA.K.D.は…!!

 サリオン!
 人や国家が復讐だのメンツだのにこだわってどれほど関係のない人が死ぬ?
 私にはメンツなんて無いもの 腰抜けと笑われたって気にしないよ
 これ以上の血を無駄に流すことはラキシスが望まない
 そして
 人類が繰り返してきた短絡的な愚行を私が選択するわけにはいかないのだ
 ボスヤスフォートの言葉に翻弄されたか サリオン?
 あれを詭弁と言うんだよ
 私が本気を出そうが出すまいがそんなこと関係なく
 彼の行動によって無益な血が流れる
 それに付き合っていたらどうなる?
 彼は戦を求め 関わった全ての人や国で不幸が起こる
 ましてバッハトマに対し“将来の厄の芽をつむ”と称し
 挙兵の理由を出すなど本末転倒
 (Reboot 6)

死なない死ねないヒトが言うことにはヒトの感情論は効きません。
だってヒトじゃないんだものね。
ところがそれでは面白みがありません。
なぜなら、わたしたち読者がヒトだからですw
わたしたちがヒトである限り“人間”がすべての物差し。
他のものに価値を見出せないのも道理でしょう。
このマンガでは別の誰かがヒトの感情論に結末を与えることになります。
それが“歴史”だからです。
たとえ強大な力があってもヒトが死ねば終止符は撃たれ、時代が終わる。
死なないヒトから見れば単にそういうことなのかもしれません。

今という時間に、今という感情に、惑わされる理由がない

そんなことを考えだしたら、この物語自体に何の意味もない気がしてきますw
だって“どうでもいい”んだものね。

さぁ向かうところは“おもしろきなき世をおもしろく”でしょう

ソープ君は他の誰かに?人間に?その想いを託すことになるはずです
すべては“どうでもいい”から始まって、地道に人間力をあげていく話です
神様にとって必要でもなんでもない“人間力”をあげていく話です
そう考えちゃったりしたら、このマンガはほとほと鋭さを感じます
 世界が変わっていくのは、
 ほんとに大いなる“意思”によるものかもしれないんですよ!!
本来は神様なんですから地上の生命にかかわる必要もナインですからね
 傍観者が実体化して世にかかわっている
そのことが、このマンガのすべてではないでしょうか

(つづく)


 < 過去  INDEX  未来 >


Taisuke [HOMEPAGE]