| 2013年03月22日(金) |
繰り返すのは強さかあやまちか |
またこのシリーズきたw この日、わたしが乗車した電車内で実際に起きた出来事。 空いた車内、対面真横に伸びた座席。 わたしが座った対面側には子どもを抱えた母親が。 その隣には幼稚園児だろうその子どものお兄ちゃんが座っていました。 お兄ちゃんは座席に立って窓の外を見渡しています。 わたしが小説を開こうとしたとき電車が動き出しました。 そ、そのときです!!
お兄ちゃんが真後ろに倒れ―
ゼロコンマ何秒の世界にわたしはかえってきました 正面にいたわたしはそのすべてを見ていました 子どもはまるでJR車内でスカイダイビングでもしているようでした しかし、パラシュートは開きません わたしのこころで強烈に燃え上がった言葉は―
「それは無理!!」
倒れているまさにその瞬間、こころが叫んだ台詞でした 何が無理かって、それは―
“たすけること”
気づいたときには空中でした 空中で時間が止まっていたんです それからはスローモーションでした 男の子は背中から床に落ちていきます そのときわたしに浮かんだビジョンは“なまたまご”でした 床に叩きつけられた瞬間、頭が弾ける気がしたのです 大事故を経験したわたしは気が気じゃありませんでした わたしは頭蓋が砕けてしまったのです その電車内ダイビングに時間どころか心臓が止まるかとおもいました 一瞬の事故で人は命を落とすことがある これは身を持って知った“リアル”です 「ゴツッ!!」 男の子の後頭部がバウンドしたのがくっきり見えました
だけど、だけど男の子は大丈夫でした!!
お母さんは抱いていた子に気を取られていて男の子が見えていませんでした 爆音で泣き叫ぶ男の子でしたが、なんと自分で立ち上がります
人間の頭蓋骨とはなんと頑丈なんでしょうか
動けなくなるんじゃないかと考えたわたしは柔軟すぎたんでしょうか あんなに後頭部を強打したはずなのに男の子はもう歩き出しています!! 一部始終を知らないお母さんは男の子を病院に連れて行かない気がします この後なにもなければいいけど… 心配しましたね しかし、この話はここで終わりません!!
更にそれを超える脅威的な光景を目のあたりにしてしまうのです
しばらく泣き叫んでいた男の子でしたが、落ち着きを取り戻しました。 すると、男の子はまた外を見ようと座席の上に立ち上がったのです!!! わたしのこころはこの日最大の絶叫をあげました
「学べよ!!!」
それは怒りにも似た感情だったとおもいます しかし、そんな気持ちと同時にわかったことがあります
人間の好奇心ほど強いものはないのかもしれない
男の子にはきっとまだ電車が“あたりまえ”の乗り物じゃないんだ わたしたち第三者の命をちぢめるようなご無体なダイビング きっとそんな痛みよりも“外が見たい”とおもったのではないでしょうか 子どもって凄い。 人間って凄い
わたしたちの生き様はおおよそ失敗の連続じゃないのかな 踊りたいダンスが遠いように 素直な気持ちが伝わらないように それでも好奇心がある限り、わたしたちはどんなことも続けられます 以前と同じようにいかないかもしれませんが、やり直すことはできるはずです
男の子はまた倒れるかもしれません ですが、座席から倒れずに外を眺めることがすぐできるようになるでしょう
|