断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2013年02月20日(水) 錬金術

 「僕の心は、傷つくのを恐れています」
 ある晩、月のない空を眺めている時、少年は錬金術師に言った。
 「傷つくのを恐れることは、
  実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。
  夢を追求している時は、心は決して傷つかない。
  それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ」
 「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」と少年は自分の心に言った。
 僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。
 それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。
 本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。
 それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、
 決して発見することができなかったものだった。

その文章はわたしをほとほと勇気づけてくれました。
“夢を追求している時は、心は決して傷つかない”
夢の一部だと知っていれば、どんなことにも耐えられます。
耐えるというよりも、プラスに変えることができる。
そして、本気でものごとにあたれば本当にたくさんの気付きが待っています!!

自分自身に挑戦する勇気がなかったら決して気付くことはなかったはずです

 「地球上のすべての人にはその人を待っている宝物があります」彼の心は言った。
 「私たち人の心は、こうした宝物については、めったに語りません。
  人はもはや、宝物を探しに行きたがらないからです。
  私たちは子供たちにだけ、その宝物のことを話します。
  そのあと、私たちは、人生をそれ自身の方向へ、
  それ自身の宿命へと、進んでゆかせます。
  しかし不幸なことに、ごくわずかの人しか、彼らのために用意された道―
  彼らの運命と幸せへの道を進もうとしません。
  ほとんどの人は、世界を恐ろしい場所だと思っています。
  そして、そう思うことによって、
  世界は本当に恐ろしい場所に変わってしまうのです。
  ですから、私たち人の心は、ますます小声でささやくようになります。
  私たちは決して沈黙することはありませんが、
  私たちの言葉が聞こえないように望み始めるのです。
  自分の心に従わないばかりに、人々が苦しむのを、私たちは見たくないからです」

趣味でなく、社会的に好きなことをやり続けることは本当に困難なことです
現代社会で生き抜くには他者に認められなければなりません
そこに逃げ道はないのです

 「なぜ、人の心は夢を追い続けろと言わないのですか?」
 少年は錬金術師にたずねた。
 「それが心を最も苦しませることだからだ。そして心は苦しみたくないのだ」
 その時から、少年は自分の心を理解した。
 彼は心に、お願いだから、話しかけるのを決して止めないでくれと頼んだ。
 そして自分が夢から遠くへ逸れてしまったしまった時は、
 強く言い張って警報を鳴らしてほしいと頼んだ。



いよいよ連日に渡る独白アルケミストを終わらせるときがやってきたようです



 「宇宙にあるすべてのものは進化している」

 「わしは本物の錬金術師たちを知っていた」錬金術師は言った。
 「彼らは実験室の中に閉じこもって、金のように進化しようとした。
  そして、彼らは賢者の石を見つけた。
  なぜなら、何かが進化する時、まわりのすべてのものが進化することを、
  彼らは理解したからだ。
  ある者は偶然に賢者の石にぶつかった。
  彼らは最初からそのように生まれついていて、その魂は他の人の魂よりも、
  こうしたことに対してずっと準備ができていたのだ。
  しかし、こうした人は何人もいない。 非情に稀な存在なのだ。
  ただ単に、金にしか興味を持たない者もいた。
  彼らが秘密を発見することは決してなかった。
  鉛や銅や鉄が、それぞれに果たすべき運命を持っていることを、
  彼らは忘れてしまったのだ。
  そして、他の者の運命を邪魔する者は、自分の運命を決して発見しはしない」

“準備ができていた”この記述はたいへん興味深いものです
わたしたちには持って生まれた資質というものがたしかにある
この世には気付きを必要としない人もいます
気が付かなくとも生きていけるからです
もしかしたら、準備ができていなければ気付くことなどないのかもしれません
“準備ができている”というのはなんと不思議なものでしょう
そして“何かが進化する時、まわりのすべてのものが進化する”
このことは“影響を及ぼす”ということではないでしょうか

 「もし、第六日目がなかったら、人間は存在しなかったでしょう。
  銅はずっと銅のままだったでしょう。
  そして、鉛はずっと鉛のままだったでしょう。
  すべてのものが、それぞれの運命を持っているということは、本当です。
  しかし、その運命はいつか実現します。
  そうなったら、それぞれのものは自分自身をより良いものへと変えて、
  新しい運命を得なければなりません。
  そしていつの日か、大いなる魂と一つになるのです」
 「錬金術が存在するのは、そのためです」少年は言った。
 「すべての人が自分の宝物を探し出して、
  以前の人生よりも良くなりたいと思うからなのです。
  鉛は、世界がそれ以上鉛を必要としなくなるまで、
  鉛としての役割を果たすでしょう。
  しかし、そのあとは、鉛は金に変わらなくてはなりません。
  これこそ錬金術師が行うことなのです。
  私たちが今の自分より良いものになろうと努力すれば、
  自分のまわりのすべてのものも良くなるということを、
  彼らは教えているのです」

“より良いものを求める力” “より良くしたいと願う力”  これが錬金術の源です
それが純粋であれば、本物であれば、まわりのすべてが変わっていくでしょう
世界は変わるはずです

 少年はひざまずくと、声をあげて泣いた。
 そして、自分の運命を信じさせてくれたこと、自分を導いて王様、商人、
 イギリス人、錬金術師に会わせてくれたことを、神に感謝した。
 それにもまして、愛は男が運命を追求することを決して
 邪魔しはしないと言った女性と出会えたことを、彼は感謝した。
 もし欲すれば、彼は今、オアシスに戻り、ファティマのもとへ帰って、
 平凡な羊飼いとして人生を生きることもできた。
 錬金術師でさえ、大いなることばを理解し、鉛を金に変える方法を知っていても、
 砂漠に住み続けていた。
 彼は自分の科学や技を誰かに証明する必要はなかったのだ。
 「僕は自分の運命を実現する途中で、必要なことをすべて学び、
  夢見たことをすべて体験した」と少年は自分に言った。

わたしたちは驚くべきことに進化します
自分が求めるもの、その環境、そして人に影響をうけながら
よくなりたいという気持ちがあるかぎり、わたしたちは進化しつづけます

ダンスを踊る楽しさと歓喜を教えてくれた案浦研さん
“生きようとする”その厳しさでわたしを導いてくれた久保美樹さん
みんなみんな生きたかった、生きていてほしかった
苦しかった、苦しかったよね
あの日々がもどってこないように、今この瞬間も戻ってきません
生きることはなんてつらいことでしょうか

わたしは大切な人たちの命の錬金術で進化していました

まだまだ未熟ではありますが、今ではわたし自身も錬金術を扱えます
これまでは知らずに使っていたものでしたが今では使い方を選択することができます
それは、わたしに関わるすべての人に出会えたことに起因しています
この世はなんてすばらしいんでしょうか
“生きる”ことに、なんとエネルギーを感じるんでしょうか
これまでは時間の凝縮した舞台に輝かしいものを見ていました
でも、今は違います
むしろ毎日の日常にこそ輝きがあるのを感じています


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Taisuke [HOMEPAGE]