断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2013年02月21日(木) 「ゼロ・ダーク・サーティ」

ビンラディンを追い詰めたのは、ひとりの女性だった―
衝撃の実話、解禁!!

 『ゼロ・ダーク・サーティ』
 <9.11>から10年― 彼女を駆り立てたのは、使命か、執念か

 華奢で青白く澄んだ瞳が印象的な20代なかばのマヤ。
 とてもCIA分析官には見えないが、情報収集と分析に天才的な感覚を持つ。
 ビンラディン捜索に巨額の予算をつぎ込みながら、
 一向に手掛かりをつかめない捜索チームに抜擢された。
 だが捜査は困難を極め、その間も世界中で、アルカイダのテロがつづく。
 ある日、仕事への情熱で結ばれていた同僚が自爆テロに巻き込まれ死亡。
 もはや狂気をはらんだ執念でターゲットの居場所を絞り込むマヤ。
 隠れ家を発見するも、マヤが断言する確率100%に同意する者はいない。
 果たして、上層部及び国家が下した決断とは―

【国家 vs テロ組織】  でもその目的は… ビンラディン探しと殺害です
中盤で忠臣蔵かとおもえる場面がありました。
マヤと特殊部隊シールズが全員集合。
それはまるで赤穂浪士の吉良邸討ち入り前のようでした。
正義という名の人殺し作戦。
9.11で亡くなった人や行方不明になった民間人は3000人以上。
絶対に許されない事件です。
主人公・マヤは高卒でCIAに抜擢された経緯の持ち主。
その終盤、マヤには何ひとつ実績がないことが明かされます。

 おそらくマヤにはビンラディンを追い詰める絶対の理由があった

この映画では国家がそれをあてにし、利用さえしているのをビシバシ感じました。
その理由は映画では明らかにされませんが推し量ることはできます。
マヤの行動は常軌を逸しており、どうみても異常です。
きっと、最も大切な人が9.11で命を奪われてしまったのではないでしょうか
そうでなきゃ納得できそうもありません。
中東でのCIA業務はおおよそ拷問でした。
冒頭から中盤くらいまで拷問しかやってなかった。
こんな場面がリアルに描かれていることにも驚きました。
その現実はもっとおぞましいものだったに違いありません。。
しかし、国家にはそれを実行する理由があります。

 この世には、それができる理由ある者がいる

マヤがそうでした。
こんなこと、9.11で亡くなった人たちにとっては“こんなこと”じゃ済まない。
それは本当におそろしい職務でした… “絶対にやりたくない”ともおもった
作戦が終わったあとのマヤは一気に数十歳老いたように見えました
そのすべてをかけてビンラディンを殺めるために生きてきたといえます
ひとり輸送機に乗り込むマヤ。。

 その姿は廃人のようでした

やっていたのは人殺しの指示です
しかしマヤにとってそれは“やらなくてはならないこと”だったはずです
でも、でも、これは何も残らないよ
わたしたち第三者には知り得ない、知りようがない、本人のこころ
そのラストは軽く人生の目標を見失ってしまいそうです
もし自分がマヤの立場だったら―  これはもう考えたくありません

 誰かがやらなくてはならない

この映画はリアルさながらにつくられていました。
マリオット・ホテル爆破テロ事件の映像化は物凄いものでした…
あんなのどうやってつくってるんでしょうか―
さすがは『ハート・ロッカー』製作陣です!
映画を見ていてわかったのは爆発が起きそうな瞬間。
“来る”と感じたら必ず大爆発!!
おもしろいくらいにその爆発は予想通りでしたw
耳を塞ぐタイミングまでドンピシャでしたよ。。
その爆発はたいてい穏やかになったときでしたからね。
おかげさまでビクつくことなく、つつがなくビンラディンにたどりつけました。
しかし急襲作戦には緊張から手に汗握りました。
ドキドキハラハラの生々しい銃撃戦。 その騒動に集まってくる周辺住民…
実際に作戦を遂行することはなんと困難なのでしょうか
ニュースで聞く簡単な結果も、行動するまでにはあらゆる決断が伴いました
それも国際問題を引き起こしかねない命のやりとりです

ビンラディンを殺害したところでテロは終わりません
しかしビンラディンは殺害されなければなりませんでした
一体、何が悪で何が正義なんでしょうか
いつまで争いはつづくんでしょうか
だいたい何の為に争っているのでしょうか  利権? 支配? 思想?
わたしたちの頭では、争わなくても生きていけることはわかっているはずです
それでは“足りない”んでしょうね…
人間の心はなんと欲望に満ちているんでしょうか
わたしたちには教育が与えられていますが、教育のない国もあります
知識あるわたしたちには言えても、知らなければ考えることもできません
だからといって偏った教育では別の視点を奪ってしまうでしょう
現実にあった実話だからこそ真剣にかんがえさせられることがある
そういう意味ではたいへんな映画だったとおもいます


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Taisuke [HOMEPAGE]