二日前に読み終えた本があったの忘れてたッ!
『サクリファイス』 近藤史恵 ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―
陸上選手から自転車競技に転じた白石誓。 プロのロードレースチームに所属、各地を転戦していた。 そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。 アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。 かつての恋人との再会、胸に刻印された死。 青春小説とサスペンスが奇跡の融合を遂げる!
この本にたどりつくまでにちょっとした前説がありますw これまでは自分が興味のある本を迷うことなく購入してきました。 ところがあらかたその興味を読みつくしてしまったと漠然とわかったときでした。 どうにも手が出る本がなくなった、そんなときでした。
BOOKCOVER EXHIBITION 2012 ◎BOOK at ME.◎
このイベントが始まって毎年楽しみになりました! たぶん三年だよね ここではなんと無料でアーティストブックカバーがもらえるのです。 読書好きとしては避けられないイベントだw たかがブックカバーあなどるなかれ。 気分は激変します 今回は、なんとデザインする一人一人にお薦め本紹介文が載せられていた。 こ、これだーーーッ!! 〜参考にするにはもってこいじゃないか〜 たすかったw その中で重なる作品がいくつかありました。 その一つが『サクリファイス』です! 余談ではありますが、わたしが好きなデザインはどうもこの人!的なものを発見。 この三年でわかったこと。これもタイミングだと思って後日メッセージしてみました!
が、まったく返事がない
人間力をおそろしく疑いましたね がっかりだ いくら忙殺されていてもお伺いに応対くらいしてほしいものです 経歴をみると活躍されてる人でしたから高名なひとほどそんなもんかな 友だちになるのにメッセージを要求してくるくらいです もう絶対メッセージなんてしない。 書店に行くとサクリファイスが2010年本屋大賞二位だと発覚! 迷いは晴れた
ぼくがロードレースと出会ったのは、十八歳のときだ。 当時、ぼくは陸上の中距離走をやっていた。 自慢ではないが、インターハイで一位になったばかりで、 次のオリンピックを狙えると言われていた。 藤代高の白石誓と言えば、高校陸上界でそこそこ知られていた。 だけど、走ることはぼくにとって苦痛でしかなかった。 両肩にずしりと重しを載せられて、 それを振り落とすために走っているような気分だった。 だが、どんなに必死で走っても、重しを振り落とすことはできない。 徒に記録がよくなるだけだ。 そして、その記録はよけいにぼくを走ることに縛り付けた。 やめたいと言ってもだれも取り合ってはくれないのだ。 やめることは、コーチや両親や友達などの期待や応援も裏切ることになる。 そうやって、まわりの人を傷つけてまで、ほかにやりたいこともなかった。 だから、ぼくはひたすらに走っていた。 そんなとき、ぼくは自転車レースと巡りあった。
主人公のように実績がなくても感じること それは“やめること” ぐちゃぐちゃになったからだとこころがここまでこれたのはみんなのおかげだ もちろん自分自身で努力してきたこと だけど、一人の力では決してここまでこれなかった 一人でやれるひともいるでしょうが、わたしは違います そこに誰かがいたから“もうひといき”がうまれた そこに誰かがいたからこころはねじ曲がらなかった だから、そんな人たちに感謝の念が尽きることはありません “そんな人たち”とは立ち向かっていく人たちのことです 漫然と息をしている人じゃない そのような人たちと一緒にいれたことが“やめない”こころを育てたのです だからやめることは裏切りです 生きることへの裏切りです
苦しい。 だが、一方で爽快感があるのも事実だ。 自然という大きなものに痛めつけられる、マゾヒスティックな快感。 それを感じつつ、ぼくはひたすらペダルを踏む。
こっちはこんな感じです。 ダンスを踊るためという大きなものに痛めつけられる、マゾヒスティックな快感。 どこまでやるの?やらされるの?? まったく終わりがない!!w それを感じつつ、ただひたすら打ち込む。 『サクリファイス』はつくづく面白かった。 ダンス界、特に洋舞にも同じようなものを感じるからです。 ヒエラルキーある世界ではトップのために群舞があり、トップが群舞を引き上げる。 そこには絶対の壁と力量の差があります。 そうでなければならない、というものさえ感じる世界です。
できるなら、できることなら壁のない世界でそこにいきたい
わたしの望みはそれだけです 壁がないからこそぶつかりあって超えられるダンスがある、そう信じています ただ、この本では別のことが残りました
「白石、食らいついてこい」
この言葉が響くには、響かせるには力が必要だ これが“友だち”ではなく、“チーム”の力なんだとおもったのです こんなに力強い言葉はない こんなに後押ししてくれる言葉はない この人についていけば確実だと“わかる”確信 それは“安心”だといえる気がします
そんな人になりたいとおもわないことがありましょうか
サクリファイスのラストはとんでもないところへ行き着きます 是非読んでみてください
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