断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2012年02月04日(土) 札幌 〜スタートライン〜

止まらないアイデア、どうやれば結末へと導けるのか
ダンスはいつだって厳しい
実のところ札幌にきてから踊りのことで頭がいっぱいでした。  気が気じゃない
アイデアがそのままダンスになるほど踊りはあまくないからです。
自己満足のダンスがどれだけ暴力的であるか知っているからです。

 お客さんとどう向き合うか

ここにこそ集中が、切り詰めた集中が問われます。
だからこそ、それ以前に自分と向き合うことが絶対条件なのです。
札幌へ来たのは雪の上で踊るという決意からです。
わたしはこれまで雪と踊ったことがありませんでした。
こんなにもこころおどるような情景はありません!
そう、ここでしかできない踊りがしたい―

 はだしでおどる

お誘いの電話で主催者の先生は毎年はだしで10〜15分おどると言っていました。
それがどういうことなのか知りたい。 それができるチャンスでした
札幌へ到着して驚いた。 先生は先日まで入院されていたのです。
膝、膝です。 先生は膝をわるくしており全力でリハビリしていました。
ぎこちない歩行に心配しましたが明るい笑顔でした。 ただ一言「本番は断念した」と
わたしは寝たきりからここまでやってきた身の上です。
おどれないということがダンサーにとってどれだけのことか想像してやってください。
そして今日、会場入り。 いよいよstageを目視。

 積雪の高さは軽く膝まであった

自分の考えがあまりにも足りなかったことを思い知らされます。
しっかりと地面を踏めることがないため“踊りにする”こと自体が非常に困難です。
〜完全に埋まってしまうからです〜
こんなところでイメージどおりに事が運ぶわけがありません。
もともとそうなるだろうと予想はしていたものの、現実は想像のとおい彼方w
たしかめなくちゃいけないことがたくさんある。
それが試せるのは今日をおいて他にありません。
琴美ちゃん(17)がお試し先陣をきった。
雪の中、モゴモゴやってる琴美ちゃん!  あっという間に雪だるまです!!
とにかく足をすすめるだけで強烈な困難がうかがえます。
雪まみれになった琴美ちゃんの台詞がこれです。

 「今シーズンやりきった…」

本番は明日ですw  〜まだやりきってる場合じゃない〜
そんなわたしの初・雪予行。 「いくぞ!」掛け声で踏み出すや―
先んじて雪を満喫した琴美ちゃんが応援がてら、その口出しを収録してました。
どんな感じだったかわかっていただけるかと思いますのでそのまま記載してみます。

 「あ〜 わー綺麗! わーあーあー わー冷たいね!
  あはははは! ふはははは! すごい うわははは!
  めっちゃ楽しんでる!! すごッ  海辺ぇ海辺〜♪」

これでわかるひといるのかねw
雪まみれになったわたしの台詞がこれです。

 「無理無理マジ無理!!」

その後、本気で雪のstageに挑みます。 〜冗談やってる場合じゃない〜
はだしで挑んだのは琴美ちゃんとわたしの二人。
踊る琴美ちゃんを見ていたわたしは機転を利かせてお湯を用意してもらいます。
結果論ですが、おそらくこれが重要なアフターケアだったかと思う。

 琴美ちゃんの意識はイってました

しかし、5分間はだしで踊りきっています。  見上げた根性です
わたしは全体のイメージを意識するためにさいしょ靴をはいていました。
そして、はだしになったその刹那―

 1分ともちませんでした

実話です… こんなはずじゃない  こんなわけがない  ふざけるな
あっけなく指先が動かなくなりました。  感覚がない
ダンサーとは足の強さで踊りをつむぐものです。
いきなりこれまで鍛えてきたダンス最大の拠り所をうしなってしまいました
なにをするにも地面から離れる最後まで力がかかるのは指先です。
ジャンプが高く飛べるのも、繊細さもすべて指先まで意識するからできるのです。
感覚があるのは足指の付け根と踵(かかと)  〜地面がまったくつかめない〜
真っ青になってリハーサルを終えると先生がわたしに向かって言いました。

 「軟弱者」

こんなところで終われません。  なんのためにここまできたんだ
わたしたちは偉大な先人を超えていかなくてはならないのです。
この言葉ですべてがふっきれた
なによりもここで踊るために自ら決めた最低限のスタートライン。
もともとそれを前提に、すべてを感じてダンスにするという決意
ここでの最低限とは足のこと。 足だけならまったく命に別状はありません。
 楽勝のはずです
問題は“ダンスにすること”だからです

さぁ今こそダンスを超えてすべてが問われるその先へ
勝負のときです


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Taisuke [HOMEPAGE]