断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2011年10月25日(火) No pain, no gain.

◎振付・クリエーション二日目◎
三つの物体がわたしたちの前に現れた―

 ロープ、羽、生卵

えっ?! ナマタマゴ??
セシリアはどれかひとつ選べ、とわたしたち全員に迫った。
それはそれぞれで振付にしていくことを含んでいた。
個人的には割れる危険と隣り合わせ“生卵”に惹かれたが、ここは大事だ。
わたしは密かに他の日本人と一緒にならないことを考えていた。

 ここで踊りたいのはそんなダンスだから

わたしは“羽”になった。
チームはギル、エリー、レスリー、わたし、男女それぞれ二名の四人構成。
このチームになったのにはなりゆきがあるw
なんとこの四人は“羽”を択んだにもかかわらず、羽を持たないことを宣言したのだ。

 「羽なんか要らないわ」

もうめちゃくちゃ面白い。 このチームなら骨埋めてもいい、そう思った!
ギルは考えられないくらいエネルギーに満ちていた。 そんなギルが力強く言った。

 「わたしたちが踊るのは、生きて死んで復活、FIRE BIRDよ!」

…大賛成だ!! 願ったり叶ったり、臨むところだーーーッッッ!!
結局すべからく、そんなところにわたしは組まれることになっていたようだw
 運命をビリビリ感じた  この公演はわたし自身の“復活”でもあるんだ
今日を含め、あと二日で『FIRE BIRD』ダンスをカタチにしなくてはなりません。
燃えろ燃えろ燃えろえろえろーーーッ
わたし自身のFIRE BIRD imageをなんとか言葉にした、みんなでつくるんだ。

 みんなでひとつのものにして、わたしたちの知らないところへダンスを押し上げたい


午後、セシリアから わたしを含める男性3名のトリオが提言された。
そのひとりはイタリアから来ているダンサー アレハンドロ(通称アレン)だ。
これはゲド戦記じゃありません。
ここでは大変おそろしいことがおこった。 ギルたちFIRE BIRDチームの真逆!

 話し合いにまったくならない

三人でつくるんじゃないの?! いまセシリアそう言ったろ!?
アレンはセシリア宅にお世話になっている新進虎の子でもあるからか、ほぼ独断だった。
 なんだこいつ  日本人なめてるのか
もちろんダンサーであるからにはその運動能力は他を圧倒、ずば抜けている。
 だけど、だからなんだというんだ  勝手に方向決めるなよ
ここでは踊りのつくりかた、その問題その姿勢が浮き彫りになった。
おそらくアレンの考えはこうだ。

 フィジカルがダンスをつくる

“見せる”ダンスにするには、たしかに大前提。
こんなことに時間をかけていられない。 そんな空気感を漠然と感じたのだ。
どうしたいかだとか、前のシーンはこうだからどうしたら面白いか、とかないわけ??
こいつの踊りは個人のカラダありき、で終了なのか!?
まいったね、ぜんっぜん楽しくない

 ハートがダンスをつくるんだ  気持ちを踊らせなくてどうする

どんな想いを、感情をのせて踊るのか、わたしはそんな話がしたかった。
見た人がどう感じるかが終着点でも、その前にダンサーとして感性を納得させたい。
アレンのプロ意識がそうさせるのか、日本人ダンサーをなめてるのか、どっちだ―
 アレンに本当に力があるのなら取りまとめる大きなスタンスがあっていいはずだ
 アレンのダンスがなんなのか浅い気がした  ダンスが理屈じゃないとしても
 なぜなら納得させるようなことを一度も言わないからだ
 たしかにフィジカルとテクニックは凄い もちろんフィジカルは大事だ
 でもダンスはそうじゃない  もっと大事なものがあるんだ  見え方など二の次だ
もしかしたらわたしたちのダンスを学んだ背景はまったく反するものかもしれない。
だからこそ話し合う必要があるはずじゃないか。
とにかく、適当にアレンがつくったダンスなど踊りたくもない。
どうせならアレンが疲れ果てるくらいの振付じゃないと踊ってたまるか!!
わたしはtranslator マルティナに通訳してもらい、気持ちをアレンにぶつけた。

 適当なものを踊るために日本からきたわけじゃない
 おまえがセシリアが言うプロフェッショナルだというなら
 あたらしい世界を俺に見せろ

アレンは笑って「O.K.」と言った。
マルティナにはデリケートなところを言わせてしまったがたすかった。
たとえ話し合いができなくとも、これで思う存分 力がぶつけられそうだ!
練習を思う存分できるような時間はない。 明日は本番初日だ。

 こんなところでとどまれない  モヤモヤを抱えたまま舞台に立ってたまるか

ダンスにウソがあっちゃいけないんだ
なによりも見に来てくれる人のため、そして自分自身のために


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Taisuke [HOMEPAGE]