2002年01月09日(水) 小さい生徒さん

 昨年の9月からレッスンを始めた年中のRちゃん。今のところ休むことなく、家庭での練習もほぼ毎日続けていて、おうちの方もよく協力してくださり、順調に進んできています。
 
 Rちゃんより前に、小学生のおねえちゃんが習いたいと言ってきたことがあったのですが、ピアノが必需品だと言うお話をお母さんにしたら、「考えてみます」と、いったん出直し。そして「本人がやっぱりやめたと言うので」とお断りがありました。お母さんが困っているのを察してそんなことを言ったのかな、かわいそうだったな、とちょっと落ち込み。しかも目の前の田んぼの所有者のおばあちゃんが以前、「もうすぐ孫達と同居できるんだけど、孫がピアノ習いたいって言ったら、ぜひお願いしたい。お母さんの考えもあるから実現するかわからないけど、私はそうなればいいなって楽しみにしてるの。田んぼで仕事しながら、孫のお稽古の様子が判るなんていいなと思って」とおっしゃっていたので、かなり気になっていました。
その半年後にRちゃんのお話があり、「いとこのピアノの発表会を見に行って習いたいと言い出した」とのこと。4歳で、まだ字も読めなかったので、基本的に字に興味がないうちはお断りしている私、悩みました。ここでまたそんな理由で断ってよいものか。なんと言っても本人が弾きたがっているのだし、ピアノをいずれ買うことになるのは先方も承知の上。それにおばあちゃんをまたがっくりさせてよいものか。
 …ちょうど産休に入る前だったこともあり、それでは産休明けから始めましょう。とりあえず(この時はまだピアノは買えませんが、とおっしゃったので)キーボードでけっこうです。ただし、どれみをひらがな・カタカナで読めるようにしておいてください。 とお話しました。
 
 そして産休明け、元気よくレッスン開始。しかも「どれみをとりあえず読めるようにと思って教えていたら、ほかの文字も覚えた」とのお話。えらい! なんと言ってもはきはき話せ、大きな声で歌え、とっても気持ちのいいタイプ。これはいいぞ〜と、私もしっかり乗り気になりました。
 その後も、ここでこれを憶えてほしいと思うことは確実に憶え、はじめは「ソ」以上の音程が取れなかったのに今は1オクターブ+下3音まで発声でき、初見の段階でかなり音程もつくようになりました。そして12月に入った頃から1曲が曲として認識でき、面白さがグンとアップしたようで、次々と宿題になってない曲を先取り。伴奏がつくと音楽が大きくなることも自分で気づき、旋律と伴奏の役割も小さいなりに楽しんでいます。しかもおうちの方は特に音楽をやっている方達ではなく、お母さん曰く「私とは宿題の曲の練習だけしています。それが終わった後や暇な時、自分で楽譜見て弾いているようです」…なんてすばらしい!
 あとは「そろそろピアノ、買っていただけませんか?」と私が言えればよいのだけれど。2月で半年なのでチャンスです。
 Rちゃんは3人姉妹の真ん中なので、注目はおねえちゃんに集まり、体験も持ち物も服もおさがり、お母さんは普段は妹の世話中心、という立場。でもピアノの時間はお母さんを独占でき、ここでピアノも「Rちゃんのため」に買ってもらえたら、きっとますます家族の愛情を感じ取り、ピアノもますます好きになってくれそう…(打算、入ってます)。
 
 前に小さい生徒で、お母さんが弾けるため、耳から覚えては弾いてきて、譜読みがついていかず、そのことをお母さんに話したら、「私なりに協力したいし、字が読めない子に楽譜読ませるなんてちょっと無理では?」と言われてしまったことがありました。
音は楽譜を見て追ってくるのですが、なかなか1曲のまとまりを弾いている、という認識が出てこず、面白さを得られるまで長くかかってしまい、「もうやめたい」と言われてしまった生徒もいました。
また、家ではキーボードで練習しているため、レッスンで思うように音が出ず、いつも「疲れたー。せんせいんちで弾くと疲れるー」という生徒も。
あまりに幼くて、教えたいこと中心のレッスンに移行するまで時間がかかったり、ピアノを弾いたり楽譜を読むこと以外(シールもらえるとか、色塗りするとか、リズム遊びするとか)の楽しさで、導入を乗り切った生徒もいました。
教本選択も、適当ではなかった場合もありました。
 
 小さい生徒さんはその子の素質や性格、おうちのかかわり方でかなりやり方を工夫しないと難しく、多かれ少なかれ悩みや進行上の問題にぶつかりがちで今まで来ましたが、この2年くらいは少し、ましになってきたかな、と感じていたところへ、今回、Rちゃんのおかげで、小さい生徒さんへのアプローチの手がかりを少しつかめた気がします。
 
 といってもやっぱり小さい生徒さんは難しい。「音楽で釣る」ことができるように、最初の音楽との出会いが音楽の楽しさいっぱいであるように、知り合えるすべての様々な個性を持つ小さい生徒さんのために、いろんなアプローチが出来る先生になりたいです。


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