LORANの日記
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太極拳の用語に捨己従人(しゃきじゅうじん)という言葉があります。
これは相手の攻撃に応戦するときの心構えです。
「自分を捨てて、相手の動きに従う」ということですが、自分を捨てる
と言っても、自分の無力化でも、自分を放棄するのでもありません。
自分のもてる力を十分に発揮するのですが、相手を攻撃するのではなく、
相手の攻撃を反らし無力化しながら、反撃のチャンスを待つことです。
この考え方は、とても東洋的だと思います。
西洋の考え方は、力による征服が主流です。
圧倒的に強力な力が評価され、強いことが正義と思われています。
トレーニングの方向も、筋力や技術の向上を目指しています。
国王は、「私が法律である。」と強圧的に服従を強います。
西部劇では、「拳銃が法律である。」と無法者が言います。
アメリカの1極支配になってからは、「アメリカが世界の法律で
ある。」と、国連憲章は無視され、一国の大統領を逮捕し、裁判
へかけます。
こんな目茶目茶なことをしても、強国だから手が出せません。
力(暴力)による支配が露骨なのは、西洋の特徴です。
それは西洋の「神」がとても暴力的で、破壊や破滅をもたらすからです。
一方、東洋の思想は、本来とても穏やかです。
その基本に大きな宇宙の流れがあり、それに合致した生き方を
奨励します。
宇宙や自然は、それ自体が「神」であり、全てに「神」が宿ると
考えられています。
ですから自然環境を破壊したり、支配したりする考え方は西洋的です。
この考え方は、長州藩(山口県)が明治維新をイギリスの協力で成功
したとき、イギリスの学制や考え方を取り入れたことに始まります。
つまり、イギリスは日本を西洋化して支配することに成功したのです。
いま、明治以前の教育を受けた人は日本にはいません。
日本人全員がイギリス的教育を受けた、西洋主義的日本人なのです。
それで日本人が暴力的な生き方になったと思います。
「お金のためならなんでもやる。」
「法律に違反しなければ、なんでもやっていい。」
「地域振興のためなら、自然破壊はしかたがない。」
こんな考え方は、極めて西洋的です。
西洋的というのは、「神との契約」が最優先という考え方です。
家畜は「神」が人間の食用に創造したのだから、食べて当然です。
家畜へ感謝や愛情を与える必要はない。
しかし家畜以外はそうではないから、クジラを殺してはならない。
「神」は生きているときはもちろん、死んだ後も「最後の審判」
で地獄や煉獄へ送り込む、すべての支配者です。
日本人が西洋的になった結果、暴力的・破壊的になりました。
不安や恐怖が蔓延して、病人が増えていることもその表れです。
「捨己従人」は「宇宙の流れに身を任せなさい。」という、
東洋的な考え方です。
「力づくで自然を支配したり、環境破壊してはいけない。」と諭します。
自分自身についても、「もっと自分をたいせつにしなさい。」と教えます。
「あなたの本質=魂が歓ぶことをしなさい。」と。
「肉欲(肉体だけの喜び)を諌め、気持ちが安らぐ生き方をしなさい」と。
「いつまでお金儲けとか、人からの評価とか、相手からの愛情とか、
そんなことにだけ夢中になっているのですか?」と。
「いつになったら、あなたが生まれる前に決めたことを実行する
のですか?」と。
どうぞ、あなたの真実に近づくことを始めてください。
あなたの本質はそれを待っています。
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