ぴんよろ日記
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「聖地巡礼」現地ガイドの大役で今年は燃え尽きたはずだったが、どっこい大一番が待っていた。
大好きな大好きな彦山を眺めるために奮発した、壁の幅いっぱいの大きな窓。区画ぎっしりのニュータウンではなく、山の上の家のポカンとした土地の、2階に作った大きな窓。その目の前に、なんと家が建った。棟上げの日の夜、帰ってきてみたら、角度によってはその大きな窓の全面に隣の家が立ちはだかっていた。あらためて翌朝見て、腰が抜けそうだった。たとえるなら、満員でもない電車でグイッと隣に座ってくる人がいて、それは「変な人だなぁ」と思いながら百歩譲って我慢しようかと思っていたら、その上に、ぐぐぐーっと首をひねって顔を覗き込んできた状態。無理無理無理無理!頭が真っ白になった。そんでもって、日曜の朝っぱらから、トンビしか横切らないところに、大工のおじさんが(うちから見ると)空中浮揚状態で作業している。丸見えっ! これは全力で戦わねばならぬ!すぐに建設会社(以前留守どきに「ご来場ありがとうございます」というのし紙が貼られた、明らかにイベントの残り物のティッシュ1箱を玄関にぶら下げてのご挨拶。来場してないっつーの)に電話をして、とりあえずの作業を止めてもらった。設計会社に写真付きで切々としたためたメールも送った。次の日、建設会社の人が来たので、窓の景色を見てもらうが、その惨状に顔色を変えつつも、彼らは単なる「施工業者」なので、作業を進めさせてくれとしか言わない。設計と施主を呼ぶよう頼む。翌日、設計と建築の人が「ふーん、施主にはどうやら言ってないな。まずは自分たちだけで丸め込もうとしているな感」を漂よわせつつやってきた。設計士も窓の景色を見て「あちゃー、こりゃマズかったな」と顔に書いてあったが、案の定、あれこれはぐらかそうとしてきた。この問題はぜんぜん終わってないので具体的なことは書かないが、夏の造成工事の地獄っぷりからなにから、言いたいことは全部言いつつ、譲れる部分もしっかり伝えた上で、用意していた「切り札」を出すと、しばし沈黙。2人の間で、2階を作り変える相談が始まった。やったー! 彦山が見えなくなることもさることながら、毎日毎日、隣人を恨んで暮らしたくないのだ。目の前の家の壁に、来る日も来る日も怒りと悲しみを塗り付けながら、しかもそれを見続けて何十年も生きるなんてできない。その家に住む人だってイヤだろう。ギチギチの総二階ならともかく、むしろ違う方向にはゆとりがありつつ、人んちの大窓の前に張り出した部屋を作ったばっかりに、一生、隣の家の人間に憎まれながら過ごすのだ。たぶん彼らは、うちから自分ちがどう見えてるのかイメージできてないと思う。それはまず設計する人間が考えるべきことだ。設計事務所のHPには、環境との調和だのなんだの立派なことが書いてあったが「すぐ裏の家」は「環境」じゃないのか、という話だ。 まだ新しい2階ができてみないことには終わらないが、今の段階でのベストは尽くした。ずっとお腹減らなかったけど、やっとおいしいものが食べたいと思う。
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