ぴんよろ日記
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2013年04月16日(火) 帰るところ

 なんとなく、いろんなことが始まりはじめたような、このところ。なにかが動きだす予感や、動き出しても大丈夫な自信のようなものが、ポツポツと自分の中に湧いたり、目の前に現れたり。そのひとつがインドで作られた「夜の木」という絵本。黒くて深い紙から漉いてあって、そこに、インドの画家たちが描いた、木とも蛇とも動物とも植物とも人間とも土とも空ともつかないような、でも強いて言えば「木」が、シルクスクリーンで印刷されている。これが、最近、賑橋の近くにできた「眼銀珈琲店」という、いろんな意味で「ぬぬぅ…やるな…」というお店にあって、パラッとめくったところでズドーンと来たのだが、そのときはぜんぜんお金を持っていなかったので、2日後くらいに買いにいった。
 我慢できずに車の中で包みを開けると、いきなり塗料っぽい匂いがあふれる。(「小学生のころ、アスファルト工事のそばを深呼吸しながら通った」人なら、これでもう、この本の虜だろう)。そんな趣向はさておき、ページをめくる。あざやかな「夜の木」がつぎつぎと現れるごとに思ったのは「あぁ、帰るところができた…」ということ。陳腐に言えば「ふるさとを見つけた」ということだった。自分がやりたいことや、そのやりかたや、心の立ち位置とか、その他もろもろ、いろんなことが、この本ではもう、ひとつのありかたとして実現されていて、「いつでもこの本に帰ればいい」という、不思議な安心感に包まれた。だからといってもちろん、紙を漉いて本を作りたいとか、シルクスクリーンで印刷したいというわけではなく(性格的にはやりかねないが)、あくまで「ありよう」の問題なのだが、とにかく、よし、と思った。

 そんな、わけもない自信を秘めつつ、しかし現実はまだ追いついていないのう…と、久しぶりに丸山あたりをあてどなく歩き、梅園天満宮でおみくじを引いたら大吉だった。歌がよかった。前半部分など、いまの「トボトボ感」をまさしく言い当てられていた。後半もよろしくお願いします!

 さびしさに 何とはなくて 来て見れば うれし桜の 花ざかりかな


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