ぴんよろ日記
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2013年01月24日(木) なつかしの粕汁

 いつもの酒屋さん「たけやま」に、出雲の酒「十旭日」の酒粕があったので買ってみた。「十旭日」はとってもおいしい。3年前に山陰に行ったとき、つい蔵元を訪ねたほど。酒粕を料理するのは初めてだが、粕汁というものになんとなく憧れていたので、たけやまさんに作り方を聞いて、作ってみた。シャケと野菜いろいろ入り。初めての粕汁…なるほど…優しいけれど奥底に何かを隠し持っている、ふんわりした味噌汁という感じ。そしてやたらとあったまる。すべてにスタンダード好きなヒコの反応はいまひとつ。しかし、ダンナが食べる食べる。大きな鍋に作ったのだが、何度もおかわりしていた。もともと「汁物好き」だから不思議には思わなかったのだけど、ポツリ「なつかしい」と言った。
 山陰の味噌汁は、酒粕を入れることが多いらしい。だから、境港生まれのダンナには懐かしの味だったのだ。中学に上がる時から長崎に暮らしてはいるが、味はやはり、三つ子の魂百まで。どうやらとても久しぶりに、思いがけず、懐かしの味を食べたのだ。山陰のお酒の酒粕だったのも、作用しているのかもしれない。こないだ下関に行って、私が違和感を感じたサバの味噌煮も、やはり味噌が山陰のものに近かったらしく、とても懐かしがっていた。味噌とか醤油とか、酒とか、発酵食品系は特に、味覚の根っこを作るのだろう。
 そして、育った土地を遠く離れるというのは、やはりどこかせつないな、と思った。


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