ぴんよろ日記
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2013年01月23日(水) 3年ぶりの東松さん

 「ながさきのみつけかた」(西日本新聞長崎版連載)で、東松照明さんについてのことを書こうと思った。東松さんの写真からは、いまだ大量に消化しきれない、あまりにもいろいろなことをいただいたので、亡くなったと聞いても、日記にもツイッターにも書く気がしなかった。いまでもぜんぜん書ききれないのだけど、連載の読者と想定されている若い人たちにも東松さんの写真を見てほしいので、書けることだけ書いた。そのために、3年前の写真展の図録を確かめたかったのだけど、持っていない。なんで買わなかったんだろう、ひどい金欠だったのかな、などと思いつつ、昨日、美術館に行った。あったら買おうと思ったけど、もう売っていなかった。閲覧用の図録を開き、確かめたかった写真を探して、ほかのページもパラパラとめくった。そしてわかった。どうして図録を持っていなかったかが。その時の気持ちがよみがえってきた。
 買えなかったのだ。
 写真展が、写真が、あまりにすごすぎて、その写真を束ねて抱えて持って帰ることが、生理的にできなかったのだ。その時の日記を見たら、めまいがして座り込みそうになったと書いてあった。「もういい、この写真展を見ただけで、もういい、生の写真を見ただけで、もう、抱えきれない、立っていられない」と、会場をフラフラとあとにした気持ちを思い出した。
 でも、3年経ったいま、やはりそれは、手もとに置いておくべきものだった。そう思って探したら、Amazonにもなかったので、オークションを見たら1冊あって、しかも残り15分だった。即落札。
 届くのが怖い。またしばらくフラフラだ…。


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