ぴんよろ日記
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2009年01月11日(日) 「おうち」

 男同士、仲良く出かけた親子を見送り、さて片付けや仕事をしようかと思ったが、異様な睡魔に襲われて、結局3時間昼寝。心のどこかに「眠ってもいい。眠った方がいい」と浮かんではいたので、よしとする。夜は、コッコデショの取材でお世話になった方が亡くなったので、お通夜に行く。当時の町内会長さん。取材をはじめたのはいいものの、どう取材していいのか悩みつつ、とにかく毎日通っていたら、ある日、ニコ〜ッと近づいて来られて「みどりちゃんは、皆勤賞やね」と言ってくださった。そのとき、それだけでなんだか力が抜けて、自分がギラギラとどうのこうのしようということじゃなく、まずはとにかく、ずっとそばで見続けてみようと思えた。長崎の、ちょっとした、古くてお金持ちのお家のおぼっちゃま。卓袱料理を気負わず何度も食べたことがある感じ。そういう人だけが持つ、おっとりとした独特のチャーミングさ。都会の大金持ちには、また違う空気があるんだろうけど、長崎の、そういう次元に生きた人には、やはりそこにしかない匂いがあるのだ。
 長崎弁で、「あなた」のことを「おうち」って言うことがある。字で書くと「おうち」なのだが、発音はもっと微妙で、「おぅち」と「おぉち」が混じったような、さらに「おーち」と、延ばす要素もあるんだけど「ー」って延ばしちゃうと、ちょっと長い。若い人で使う人はまったくいないし、年配の方でも…私の祖母ですら、言わない。でも、一度入院されたときにお見舞いに行って、別れ際に「お大事にされてくださいね」と言ったら、会長が「おうちもがんばんなさいよ」って言ってくださって、それがもう、自然かつ完璧な「おうち」、しかも自分に向けられたものだったので感動してしまって、でも、その瞬間、もうお会いできないような気がよぎってしまって、やはりそれは当たってしまった。元気になったら、昔の話を聞かせてくださいね、と言っていたのだが、最後はとても安らかだったとお聞きして、それだけが、よかった。


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