ぴんよろ日記
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2004年05月22日(土) 坂をのぼれば

昨日の夜、浜の町から桜町の方まで、ひとりで歩いた。
その途中には、もうすでに、すっからかんに壊れた母校があるのだが、
夜、しかもひとりで目の前を通るのはイヤだな、と思い、
1本入った道を通ったのだが、
結局は小学校の前に出なければ、目的地に着くことはできないので、
いつも通っていた坂をのぼった。
坂を上ると、白い壁がどんどん大きく見えてくる…はずなのに、
なーんにもなかった。

それは当然で、頭ではわかっていて、だからこそ回り道をしていたのに、
坂をのぼっていく体の脳みそは、その坂をのぼることで、
私に白い壁を見せようとした。
でも、なかった。

手や足を、事故などで失ってしまっても、
しばらくは、その存在の感覚が、ありつづけるのだという。

体にしみついた感覚や条件反射は、簡単には割り切れない。
夜の坂をのぼることで見つけた「小学校の喪失」には、
あらためてびっくりさせられて、ここ半年ほど続いているこのことで、
初めて、少しだけ涙が出た。

「いつか読書する日」という映画を長崎で撮った監督が言ってた。
坂をのぼることを通じて、人間の肉体が感じられ、伝わるというようなことを。
それは、このような、体にしみついた感情までもが、
吹き出してくることをも含めたものなのだろう。



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