ぴんよろ日記
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2003年11月27日(木) 悲しき温泉

車に泊まって、風呂はその辺の温泉で、という旅が多いので、
いろんな温泉やスーパー銭湯みたいなところに行く。
どこもわりと大繁盛で、
特にスーパー銭湯はデカくて軽い雰囲気になればなるほど繁盛。
日本人はお風呂が好きなんだと思わなくもないが、
たいていのところのお湯はひどい。
温泉でないところは、まだわかる。
レジオネラ菌とかなんとかの事件があって、神経質にもなるだろう。
でも、ちゃんとした温泉が出ているところでも、
どこの馬の骨の指導なのか、過度な自己防衛なのか、
ごってり消毒してあるところが多い。
一昨日入った南阿蘇の温泉も、屋内のお風呂はまだソフトだったが、
露天に行くと、目がちかちかするくらい、塩素たっぷりだった。
あんなの温泉じゃない。「沸かしプール」だ。
元は同じお湯かもしれないが、
ギンギンの白砂糖と、未精製のきび砂糖くらい違う。
あるいは塩化ナトリウムと自然塩。
カラオケと生演奏。

日本人は本当に温泉好きなのか疑問だ、と何かで読んだことがある。
私もほんとにそう思う。
デカイ湯船とか、ほどほどに気持ちのいい暇つぶしとか、
風呂上がりのビールとか、どんちゃん騒ぎが好きなだけで、
温泉のお湯そのものを、信じたり、愛したりというのとはかけ離れている。
疲れた体を、柔らかなお湯に浸して、
お湯に溶けた大地と語らう気持ちで過ごすひとときは、とてもとてもいい時間だ。
なのに、あのいまわしい塩素消毒は、その大地の息づかいの息の根を止める。
死んだお湯の露天風呂に浸かって、喜ぶ人々…。
にせもののくつろぎがはびこるのが、とてもつらい。
まともな温泉を消毒するのはやめましょう。





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