ぴんよろ日記
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車に泊まって、風呂はその辺の温泉で、という旅が多いので、 いろんな温泉やスーパー銭湯みたいなところに行く。 どこもわりと大繁盛で、 特にスーパー銭湯はデカくて軽い雰囲気になればなるほど繁盛。 日本人はお風呂が好きなんだと思わなくもないが、 たいていのところのお湯はひどい。 温泉でないところは、まだわかる。 レジオネラ菌とかなんとかの事件があって、神経質にもなるだろう。 でも、ちゃんとした温泉が出ているところでも、 どこの馬の骨の指導なのか、過度な自己防衛なのか、 ごってり消毒してあるところが多い。 一昨日入った南阿蘇の温泉も、屋内のお風呂はまだソフトだったが、 露天に行くと、目がちかちかするくらい、塩素たっぷりだった。 あんなの温泉じゃない。「沸かしプール」だ。 元は同じお湯かもしれないが、 ギンギンの白砂糖と、未精製のきび砂糖くらい違う。 あるいは塩化ナトリウムと自然塩。 カラオケと生演奏。
日本人は本当に温泉好きなのか疑問だ、と何かで読んだことがある。 私もほんとにそう思う。 デカイ湯船とか、ほどほどに気持ちのいい暇つぶしとか、 風呂上がりのビールとか、どんちゃん騒ぎが好きなだけで、 温泉のお湯そのものを、信じたり、愛したりというのとはかけ離れている。 疲れた体を、柔らかなお湯に浸して、 お湯に溶けた大地と語らう気持ちで過ごすひとときは、とてもとてもいい時間だ。 なのに、あのいまわしい塩素消毒は、その大地の息づかいの息の根を止める。 死んだお湯の露天風呂に浸かって、喜ぶ人々…。 にせもののくつろぎがはびこるのが、とてもつらい。 まともな温泉を消毒するのはやめましょう。
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