長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2007年05月03日(木) 迷子の定義は

 五月晴れ――と言うのだろうか、此の空を。


 昨日は水曜日だけれども、気分的には金曜日、即ち次の日が休日である――そんな感覚を持ちながら迎えた終業時刻に、勿論残業の為に夕飯の出前を取る人も居なくて、私も19時前には会社を出る。普段なら先ずは銀座線へ、其れから東横線で帰宅するのが常。会社を出た時に同僚先輩と一緒にならなければ、勿論昨日もそうしていたのだろう。
 原宿に行くんだけど、一緒に歩く?
 なんて、聞かれてしまえば否とは言えず、元来歩くのは好きであるし、一度は渋谷辺りまで歩いてみなければ――という義務感のようなものも持っていたことであるし、明日は休みだからまぁ良いかと、頸を縦に振ったのだ。勿論、原宿からでは乗換えが面倒なので、――私は神宮前から渋谷まで歩きますね――ということで妥協したわけだけれども。
 会社から渋谷までなら、青山通を行った方が早い。ぶらぶらとウィンドウショッピングを楽しむなら、明治通まで出るのが良いのだろう。其処から渋谷までは、少なからず距離があるわけだが。

 目的地までの道がわからないことが 迷子 であるならば、昨夜の私は迷子とは言えまい。――此の道を真っ直ぐ行けば渋谷だよ――そう言われて、其のように理解して、実際其の道を真っ直ぐに歩いていたのだから。
 自分の現在位置がわからないことが 迷子 であるならば、昨夜の私は迷子であった。地図は手許に無かった、何度も見て大体の位置関係は把握していたけれども、通りの名前と実際の通りと、周辺の建物等とは、二次元と三次元とが一致してはいなかった。

 結局、帰宅は20時半を回っていた上に夕飯の準備を全くしていなかった私が、そう言えばハンバーグを冷凍保存していたなぁ、何て思い立って其処からサラダを作りワンプレート仕上げたのは、何と無くコンビに弁当では癪だったからに過ぎないのだけれども。


 久々に切ったことで、気が高ぶっていたのかも知れない。北国の皐月はリラ冷えだけれども、此処ではそんな季語は存在しなくて。晴れてはいたけれども外に出るような気分ではなかった今日は一日引き篭もっていたから、明日は少しだけ外に出てみようか。連休は、長くはないのだから、そう――菖蒲と、柏餅でも買いに。










 <<  道標  >>


一言メッセージフォーム。長文は此方をどうぞ。




片翼 [MAIL] [CLAP!]

My追加