ヲトナの普段着

2005年05月24日(火) 迷惑DMが平気なサイト管理者たち

 このところ、個人のブログに商用宣伝のコメントをするチャットサイト管理者が目立ってきた。覚えのないサイトからのDM(ダイレクトメール:宣伝メール)も相変わらずひっきりなしだけど、メールは自分しか目にしないし、削除すればそれで済んでしまうからまだいい。けれどブログというのは、ネットにあるからには誰もが目にするし、ブログ管理者にとっては「顔」ともいえる場所であろう。そういう場に、平気で宣伝コメントを投稿できる奴らの気がしれない。
 
 
 会社や仕事を宣伝する際に、昔から「ポスティング」というのは広く知られた方法だった。読んで字の如く、宣伝用のチラシ等を一軒ずつポストに入れていくというやりかただ。これに「人間」を投入すると、戸別訪問という方法になる。昔よくあった「押売」というのは、いまではすっかり耳にしなくなってしまったようにも思えるけど、戸別訪問だって押売と何ら変わりはない。
 
 ポスティングも戸別訪問も、経営戦略という観点からすれば、極めて正当でそれなりに効果がある方法として考えられているのだろう。一軒ずつ訪問し、消費者の反応を窺いつつ営業してまわることは、そこから消費者の意識という情報を得られるというマーケッティングにも通じるものがあるからだ。
 
 けれどそれは、売る側の論理でしかない。彼らは、訪問することのメリットを売る側の立場で滔々と論じるだろうが、それは裏返せば、やって来られた側の心理を逆手にとるような行為であることを、おそらく頭に置きはしないのだろう。チラシであれば捨てれば事は済んでしまう。しかしそこに「人」がいることで、来られた側は「断る」という行為を強要される。「断りきれなかった」という声をきくこともあるけど、そういう人の心を逆手にとるような商売方法は、詐欺と何ら変わらないではないか。
 
 
 ネットという世界において、接続料は別として、メールを送信したり個人のブログにコメントするのに費用がかかるということはない。金かけずに手間かけろ、なんて言葉があったけど、DMや宣伝コメント投稿は、まさに費用がかからない宣伝方法ともいえるだろう。しかしやはりそれは、売る側の論理でしかないと思う。
 
 冒頭に書いたように、個人サイトというのはブログで何であれ、そこを管理統括する人の「顔」ともいえる場であろう。そこに、望まれもしないのに、のこのこやってきて、自分勝手な宣伝をしていくというのは、いわば「顔に泥を塗られた」状態に等しい。言葉本来の意味とは異なるけど、やはり奴らは泥を塗ってさっさと立ち去っているのだと僕は感じている。
 
 莫迦か……と、僕は思う。自分が行っていることが押売に等しいと受け取られてるとも思わず、ただひたすら自分のサイトを認知させる、言い換えれば自分を認めてもらうためだけに、片っ端から宣伝しまくって、挙句に自分の首を絞めている。これを莫迦といわずして何という。
 
 
 率直なところ、それを見過ごしている側にも、僕は問題があると思っている。ブログのコメントであれ、DMであれ、無視したり削除すればそれで済んでしまう。けれどそれでいいのだろうか。少なからず「嫌な思い」をしたのなら、それを公にすべきではないだろうか。「身に降りかかった火の粉を払いのけたから、あとはどこに火の粉が降り注ごうが火種が大きくなろうが、わたしは構わないの」で、果たして本当に良いのだろうか。
 
 DMや宣伝コメントを平気でやれるチャットサイトなど、ろくなもんじゃないと僕は思う。その程度の脳みそしか持ち合わせない奴が管理してるサイトに、輝かしい未来などあろうべくもない。チャトレだって奉仕稼業ではないはずだ。莫迦な管理の下にいては、末永く安定した収入を得られる道理がないだろう。そんな迷惑な宣伝行為を行っているサイトにもしも自分が属しているならば、さっさと辞めることをお勧めする。なぜなら、きみたちもその「押売」に一役買ってるわけだから。
 
 
 インターネットのメリットって何だろう。それは言わずとしれた「ネットワーク」に違いない。ネットワークをいかに上手に利用できるか否かが、ここでの成功を意味するようにも思える。サイトを宣伝しようとしたとき、ネットワークを上手に利用できれば成功する、とも言えるだろう。
 
 ネットには「相互リンク」という方法がある。各種サーチエンジンに登録するのももちろん宣伝方法の基本だけど、商用であるのなら、この相互リンクを活用しない手はないだろう。それに、リンク集やランキング形式のものもある。それらはいずれも、すぐに効果が目に見えて出てくるというものではない。早くとも、二ヶ月から三ヶ月はかかるだろう。
 
 けれどその間に、管理者が何を行うかによって、サイトの将来は二分されるような気がする。別な言い方をすると、効果が出るまで待ってる間の作業こそが、管理者の腕が問われているのだということだ。莫迦な奴らは、そこでDMや宣伝コメントに汗を流す。自分で自分の首を絞めてるとも気づかず、日夜一生懸命自分の足許をぐちょぐちょにしてるわけだ。
 
 
 優れた商品には、自然と人が群がる。品物が売れるのは、確かに宣伝という行為も一役買ってるかもしれないけど、本質的には「その品物が優れているから」だろう。消費者を舐めてはいけない。小手先の作業だけで事が巧く運ぶなんてのは、現実世界にもこのネットにも、僕はないのだと思っている。優れた商品を開発できる管理者がこのライブチャット界に増えてくれることを、祈らずにはいられない……。


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ヒロイ