ヲトナの普段着

2005年05月25日(水) 【閑話】詩:きみとぼくとの距離

きみはそこにいて
ぼくはここにいる
 
きみがそこにいないと
ぼくはここできみを待つ
 
 
きみをそこで見かけて
ぼくはここで立ちどまって
 
きみはそこで手をふって
ぼくはここで声をかけた
 
きみはそこで笑って
ぼくはここで胸躍らせて
 
きみはそこで泣いて
ぼくはここで戸惑った
 
きみはそこで手をひろげ
ぼくもここで手をひろげ
 
きみはそこでぼくを感じ
ぼくはここできみを感じた
 
 
きみとぼくとの間には
遠い遠い距離(へだたり)があって
 
きみとぼくとの間には
髪の毛一本が入る隙間もない
 
 
きみはそこで恋をして
ぼくはここで恋をして
 
きみはそこで生きてゆく
ぼくはここで生きてゆく
 
 
きみはそこにいて
ぼくはここにいる
 
 
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 手を差し出したくても届かない距離。いつもすぐ隣にいるような一体感。ネットという摩訶不思議な世界は、いつも人の心をおもちゃのようにもてあそびます。リセットすれば消えてしまう存在。オフラインにすると見えない姿。繋がっているようで繋がってないようで、ときめきと不安との狭間で、それはあたかも波間を漂う浮き草のようなものかもしれません。
 
 それでもひとつだけ確かなのは、きみとぼくの存在。そう、ぼくはいつだってここにいる。確かな存在として、ここできみを見ている……。


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