ヲトナの普段着

2005年05月21日(土) ライブチャットの流出動画について

 ライブチャット流出動画というのがある。知らない子ももしかしたらいるかもしれないけど、チャットの様子をキャプチャー(録画)して動画ファイルにし、それを種々のネット媒介によってばら撒かれたものが一般にそう呼ばれているのである。今回はその流出動画にまつわるお話。
 
 
 流出動画のほとんどは、おそらくアダルト系のものだろう。女の子が単にお喋りしてる様子を動画にして流したところで、それに食いつく輩がそうそういるとも思えないからね。ということは、ノンアダチャトレにとっては関係ない代物なのだろうか。そうかもしれない。けれど、これは自己防衛知識のひとつとして、やはり知っておいて損はないと僕は思う。
 
 基本的に、パソコンに映し出される映像は、キャプチャーすることができる。いつだったか馴染みのチャトレちゃんに「試しにやってみて」と言われて、手許の無料ツールでキャプチャーしたことがあったけど、彼女もそれをみて驚いていた。そのとき僕が使ったツールは低機能だから、それこそ動画がかくかくしちゃってたけど、高機能なツールを使えば臨場感溢れる動画ファイルを作り出すことも可能だろう。
 
 そのとき彼女から、相手にキャプチャーされてるかどうかを判別する方法はあるか、てな質問を受けた覚えがあるんだけど、僕にはあるとは思えない。彼女の弁によると、相手がキャプチャーしはじめるとチャトレ側のカメラ映像の動きが鈍くなると聞いたということだったけど、キャプチャーしてるのは客側のマシンであって、それがチャトレ側のマシン負荷に影響するとは思えない。「気のせいじゃないの」と返事した記憶があるんだけど、いまでもそう思っている。
 
 
 ライブチャットの流出動画とは直接関係ないんだけど、動画の裏事情というのを少しお話ししておこうか。僕はかつて、ネットのアダルト動画関係に手を染めていた時期があった。自分が動画をみたいというよりは、ファイルを操作したり仲間と共有する方法を模索したりするのが好きだったんだ。どこにいてもこの男は、そういう裏方的作業が好きらしい。
 
 物の真贋はさておき、いわゆる有名人の流出動画というのもけっこう目にしてきた。もちろん、動画の世界には素人物も沢山あって、援交物からホテルの盗撮まで、およそこの世にある男女の性行為を感じさせるところには、キャプチャー(盗み取られる)可能性がそこここに潜んでいるものだなぁと少々怖くなったほどだった。
 
 僕は自分でキャプチャーして配布したことがないから(あったら誰にも相手にされなくなってたかもしれないけど)、正直なところ、彼らの心理というものが掴みきれない。そんなことして何が面白いんだ、とすら思う。ただ、他人の生活を覗き見るということへの興味は、形こそ違え、多くの人たちが持っているものだろうし、それが高じてキャプチャーへと走ったと解釈できるような気はしている。それと、やはり「腕試し」なのかな。ハッキングにもそういう心理があると思うけど、「してはいけないもの」を自分の技術でやってしまうことの快感というのも、おそらくあるんだろうなと想像している。
 
 それでもかつては、パソコンの処理能力やネットの転送速度の関係で、動画もどちらかというとこじんまりとした隆盛ぶりだったような気がする。それが近年、マシンのスペックが飛躍的に向上し、さまざまな高機能ツールの登場とトラフィックのブロードバンド化によって、大きなファイルが大量にネットワークを流れるようになってきた。
 
 率直なところ、ライブチャットの映像をキャプチャーして動画ファイルに変換し流すなんてことは、もうお茶の子さいさいの時代なのである。そういう「技術の現状」を、僕はチャトレのみんなにも把握しておいて欲しいなと思う。だから、こんなコラム書いてるわけ。
 
 
 とはいえ、冒頭に書いたように、流出動画の多くはアダルト系に違いないだろうから、ノンアダでやってる子たちがそう神経質になることもないとは思っている。ただ、ノンアダであっても、自分の姿や素性がわけのわからんところに流れるのを嫌う子はいるだろうし(ほとんどそうだと思うけど)、チャトレをやってること自体を恋人や親兄弟に隠してる子だって少なくないと思う。そう考えると、まんざら他人事でもなく、充分注意しておくに越したことはないのかなという気がしてくるんだな。
 
 こう書いてきて、ひとつとしてお得意の「傾向と対策」がないじゃないか、と怒られそうだけど、正直なところ、ないものは書きようがない。動画世界を歩いてきた僕が言うんだから、おそらくないと思う。仮にあったとしても、それなりにノウハウを身につけないと処理できない方法であるのなら、それは汎用とは呼べないだろう……。
 
 甚だ説得力のない結論になるけど、やはりチャトレ個々が「人を見る目」を養うしかないのかなぁと僕は思っている。それと、危険を察知する心構えを常に持っておくこと、かな。ただ繰り返すけど、ノンアダであればそれほど案ずることはない。誰かにばれるのを怖れていても、ノンアダであれば、キャプチャーしようと考える輩そのものがそうそういるわけでもないからね。
 
 ひとつの知識として、心に留め置いてください。


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ヒロイ