ヲトナの普段着

2005年04月01日(金) スーパーチャトレ列伝 麻耶(仮名)

 僕が知るチャトレのなかで最高峰のトリプルAランクといえば、やはりこの子を置いて他にはいないだろう。とにかく性格は申し分ない。容姿とスタイルも美。パフォーマンスとチャットに対する姿勢も、「見習えよー」と声を大にして言いたくなるほど素晴らしい。もちろん、某サイトでは常にトップクラスに君臨しているのが麻耶(仮名)だった。
 
 
 彼女はストリッパーに憧れた時期があったという。素晴らしいことだと思う。素直に思う。売春婦に憧れるのはどうかと思うけど、ストリッパー(踊り子でもいいけど)に憧れるのは正しい女の道なのだ。僕の価値観のなかでは。
 
 女は美しい。その美しさとは、かつてヲトナごっこのコラムで書いたこともあるんだけど、見た目の美しさだけでは決してない。その子ひとりひとりが固有に手にしている美を、本人がいかに見事に表現しているか否かで、美しさはいかようにでも変化してしまうのだと僕は感じている。
 
 そういう観点からすると、ストリッパーと呼ばれる子たちは、おそらく(じつはそれほど詳しくない)自分の美についてかなり敏感な人種であろうと僕は想像している。もちろん自分をよく見つめているから、自分をよく知っている。美しいところも醜いところも、双方併せ持ってはじめて自分という女が存在していることも、おそらく体で知っているのではなかろうかと想像している。
 
 考えてみれば、アダルトライブチャットってのもストリップのようなものかもしれない。ウェブカメラの前で、みずからの肉体を駆使して己の美をそこに表現する。もちろん単なるエログロで「アホか」と言いたくなるようなチャトレもいるけど、それだけに、わが道をゆくストリッパー願望娘は際立って美しいのである。
 
 
 いつだったか、ふと彼女の無料窓を開いたところ、せっせとプロフ用の写真をセルフで撮ってる場面に遭遇した。いわゆるひとつの「メイキング風景」ってやつですか。いやー、数多のチャトレと面会したけど、後にも先にもプロフ写真のメイキング風景を見せてくれたのは彼女だけだったな。
 
 しばらく傍観してからドアをノックし、入って開口一番「撮ってたね」と投げると、「時間がもったいなかったから」と返事が返ってきた。どうよ、この素晴らしい姿勢。改めてコラムで書くつもりではいるけど、プロフを充実させることはチャトレの基本中の基本。出し惜しみなどせずに、自分が作れる最高のプロフを作ろうと励む姿には、思わずおやじの目にも涙というわけだ。
 
 
 アダルトチャットときくと、客はすべてエッチを望んでいると思ってる人も少なくないだろうけど、そうじゃない客もじつは意外と多い。僕はアダルトチャットに果たしてどれだけの資金をつぎ込んだかわからないが、まずそのほとんどをノーマルチャットとして費やしていた。裸見てるよりは、裏話聞いてたほうが遥かにおもしろかったからなんだけどね。
 
 麻耶はまさに両刀使い。彼女とは普通に会話してることのほうが多かったけど、アダルティックなパフォーマンスのみならず、会話もとてもお上手。出すぎず引きすぎず、常にそこにいるお客さんのことを考えながら仕事に励んでいた。
 
 そう、彼女はルールやモラルにも敏感だった。パーティー形式(複数の客が同時に入れる)状況で普通の話をしているときに、いきなり知らない客が入ってきて「脱いで」とはじめても、とても上手に小窓を使ってたしなめているようだった。見事に自分のルームを仕切っていた。客を前に凛とした態度をとれる。それもきっと、チャトレとして必要な心がけなのだろう。
 
 
 じつは彼女は、もしかするとそう長くチャトレをやらないかもしれない。詳しくは知らないんだけど、なにやら夢があるらしく、それを実現するためにコツコツとチャトレでお金を貯めていたということだ。まもなくそれも満願成就する額に達するとかで、そうしたらやめるような話をしていた。
 
 目標を持つということ。それもおそらくは、彼女のチャトレとしての姿勢に影響していたのだと僕は思う。お金というものがどういうものなのか。自分はそこで何をしているのか。対価として自分が持たねばならないプロ意識のようなものを、彼女は常に胸に秘めていたのだと僕は思う。
 
 どんな夢なのかは測りかねるけど、願わくば、本物の幸せを手にして欲しいと思わせてくれる、そんな麻耶だった。


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ヒロイ