| 2010年12月22日(水) |
国の戦没者名簿提供は政教分離原則に反する |
日経(H22.12.22)社会面で、靖国神社に合祀された旧日本軍の遺族が合祀取り消しなどを求めた訴訟で、大阪高裁は、国による靖国神社への戦没者名簿提出などの情報提供は、憲法の政教分離原則に違反するとの判断を示したという記事が載っていた。
最高裁は、当該行為の目的が宗教的意義を持ち、その効果が、宗教を援助、助長するような場合には、政教分離原則に反するとしている。
この最高裁の判例を前提として、大阪高裁は、国が靖国神社に戦没者名簿を提出したことは、上記基準に該当し、政教分離原則に反するとしたのであるが、これは素直な判断であろうと思う。
ただ、最高裁が、合祀に関する過去の裁判で「合祀を拒否した遺族の宗教的人格権は直ちに法的利益とはならない」と判断しており、大阪高裁も、それを踏まえて、遺族の請求を棄却している。
そのため、あまり話題になっていないが、もう少し注目されていい判決だと思う。
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