| 2010年11月09日(火) |
刑事訴訟法に基づく調査照会と報告義務 |
日経(H22.11.9)1面で、尖閣諸島沖の中国漁船衝突のビデオ映像が流出した事件で、検察庁は、「ユーチューブ」を運営する米グーグル側が持つ通信記録の差し押さえ令状を近く裁判所に請求する方針と報じていた。
検察庁は、グーグル側に投稿者に関する資料の提出を求めていたが、同社側は任意での提出に応じないため、裁判所の令状に基づく強制手続きが必要になったとのことである。
刑事訴訟法197条2項は、捜査機関は、国、地方自治体、会社などに対し、必要な事項の報告を求めることができると規定している。
検察庁は、この規定に基づき、グーグルに対し通信記録の照会をしたのであろう。
報告を求められた場合は、原則として報告すべき義務があり、また、法的義務に基づくものであるので、報告しても守秘義務に違反しないと解されている。
そのため協力することが多いのではないだろうか。
私も企業から、「警察からこんな照会が来たのだが、どうすればいいですか」と相談を受けることがあるが、調査に手間がかからないのであれば報告することを勧めている。
しかし、報告に応じなくても罰則はない。
それゆえ、最近では報告を拒否する企業も増えているようである。
グーグルの場合も報告を拒否したため、令状に基づく通信記録の差押えになった。
グーグルとしては、安易に報告するよりも、強制的に差し押さえてくれた方が責任がないことがはっきりしてよいと考えたのだろう。
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