| 2010年08月30日(月) |
法律家は「へ理屈」を考える? |
日経(H22.8.30)16面のリーガル3分間ゼミというコラムで、禁煙の社内で喫煙していた社員を、会社側が懲戒処分できるかという問題を扱っていた。
通常は、その程度では懲戒処分できない。
ただ、最近は敷地内禁煙のビルも結構あり、その場合には喫煙者はわざわざ敷地の外までタバコを吸いに行くので、10分以上オフィスに帰って来ないこともあるようだ。
そのような場合、会社が何らかの処分を考えるとしても、禁煙、喫煙の問題を正面から取り上げると、「個人の嗜好を会社が奪っていいのか」という議論になりかねない。
それが正当な反論だとは思わないが、議論が錯綜することが懸念される。
そこで、会社としては、喫煙の問題を直接指摘するのではなく、職務専念義務という確立した概念を使って、10分以上も勝手に休息を取るのは職務専念義務違反であるとすることになるだろう。
つまり、喫煙という問題を正面から取り上げるのではなく、別の面から、当該行為を問題視するのである。
これで思い出すのは、子どものいる家庭で、妻が宗教行為に熱心で、昼も夜も宗教活動をしているため、夫から離婚請求がなされた事例である。
宗教行為は憲法上の権利であるから、宗教活動をしたことをもって離婚原因とすることはできない。
そこで、宗教活動をした結果、家事、育児ができていないという点を捉えて離婚原因とするのである。実際、そのような判例は多い。
修習生のときこのような判例の考え方を知り、「法律家は、へ理屈を考えるなあ」と思ったものである。(「へ理屈」ではないのだが、そのときはそう思った)。
|