| 2010年04月28日(水) |
「被告を無実とすると、合理的な説明が付かない事情が必要」 |
日経(H22.4.28)社会面で、大阪市で主婦と1歳の長男が殺害された事件について、最高裁は、「事実誤認の疑いがある」として、一審の無期懲役と二審の死刑判決を破棄し、審理を大阪地裁に差し戻したと報じていた。
注目すべきなのは、最高裁が、間接事実を積み上げて有罪立証する場合には、「被告を無実とすると、合理的な説明が付かない事情が必要」として一定の判断基準を示したことである。
一審・大阪地裁判決では、間接事実について「全体として考察すれば、各事実は相互に関連し合い、信用性を補強しあっている」としている。
しかし、「各事実は相互に関連し、補強し合っている」いうことは、見方を変えれば、一つ一つの間接事実は極めて弱い証拠でしかないともいえる。
このように間接事実の積み重ねによる場合には逆の見方ができる場合があるなど、立証に困難が付きまとう。
それゆえ、最高裁が、間接事実による有罪立証の場合には、「『被告を無実とすると、合理的な説明が付かない事情』が必要」として判断基準を示したのは極めて重要である。
当然、裁判員裁判においても上記の基準が適用されることになる(補足意見ではその旨が明言されている。)。
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