日経(H22.2.5)社会面で、小沢幹事長を不起訴とした事件の続報が載っていた。
この事件は政治資金規正法違反が問題になったのであるが、小沢幹事長は、「虚偽記載は形式犯である」と語ったことがあった。
これに対して、「いや。実質犯である。」という批判がかなりなされた。
しかし、「形式犯」と「実質犯」の区別に意味があるとは思えない。
形式犯とは、法益侵害の抽象的な危険性もない犯罪である。
ただ「法益侵害の抽象的危険」を広く捉えると実質犯になるから、形式犯との区別は極めてあいまいになる。
そもそも、条文上は形式犯と実質犯という用語はなく、講学上の概念に過ぎないから、法適用にあたっては両者を区別する実益はない。
ちなみに、形式犯の例としては、免許不携帯が挙げられることが多い。
免許証を所持していなくても、それと交通事故の危険性とは関係ないにもかかわらず処罰されるからである。
ただ、免許不携帯には反則金という行政罰が科せられるだけであるから、『犯罪』という概念からは外れてしまう。
それゆえ、形式犯の例としてはあまり適切でないと思うが。
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