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2009年05月02日(土)
「ジャポニカ学習帳」の表紙へのこだわり

『GetNavi(ゲットナビ)』2009年5月号(学習研究社)の「ゲットナビ探検シリーズ〜わが社のロングセラー伝説・第15回」(マリオ隊長著)より。ショウワノートの「ジャポニカ学習帳」が採り上げられています。

【ジャポニカ学習帳は、見たこともないような珍しい動植物の写真が表紙を飾り、裏表紙にはその解説を掲載。「読み物としても楽しめるノート」として、アラサー世代の心にも強く刻みこまれているはずである。しかし今回、広報担当氏から「マリオ隊長が小学校に上がられる少し前の78年頃から、表紙の内容と品質をさらに高めるため、世界各地に取材班を派遣するようになりました」と聞かされ仰天した!
 なんと、ギニア高地の頂上付近にしか咲かない花や、アマゾンのジャングル奥地にしか生息しない昆虫の姿を求め、何か月もかけて取材をしているのだという。ジャポニカ取材班は、我々探検隊さながらの労力を費やしてきたのだ! 本職ながら、ほとんど東京都内から出ずに探検活動を行っている私は、ここで思わず赤面である。聞けば、異常気象の影響で花が咲かなかったり、いるはずの生き物がいなかったりするなど、年々その取材は困難になっているという。しかし、ショウワノートとしては、この撮影と取材は今後も継続していく方針だ。それこそがジャポニカ学習帳が長年支持されてきた大きな魅力そのものだからだ。
 もちろん裏表紙の解説文は、最新情報を踏まえながら、データの細部にいたるまで徹底して再検証が行われている。さらには、学年ごとに文体を変えるなど、完成度と精度も極めて高いものに毎年編集し直されている。このページの担当編集・安ドも脱帽の、深いこだわりようだ。
 マークを集めることで、誰でも気軽に参加できるボランティア活動「ベルマークキャンペーン」では、3000点以上集票した全学校にスタッフが足を運び、直接感謝状を贈呈するといった地道な努力も続けている。実は、少子化の影響をモロに受け、最近では、全国展開している児童向けの学習ノートブランドはジャポニカ学習帳のみだという。この過酷な生存競争に勝ち残ることができたのは、コストと労力を惜しまない”愛ノート精神”があったからだ。】

参考リンク:ジャポニカ学習帳について(ショウワノート株式会社)(注:音が出ます!)

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 「ジャポニカ学習帳」は1970年生まれ。僕とちょうど同じくらいの年齢なんですね。
 当時から、あの「表紙の珍しい動植物の写真」にはインパクトがあって、買うとすぐに裏表紙の「解説文」を読んだものでした。当時はノートの本体である白いところなんて無くてもいいから、もっとこの解説がたくさん載っていればいいのになあ、と考えていた記憶があります。

 あの「ジャポニカ学習帳」がいまでも生き残っているというのは嬉しいかぎりなのですが、「最近では全国展開している児童向けの学習ノート」は、「ジャポニカ」だけになってしまったんですね。100円ショップなどで文房具が安く買える時代でもあり、「児童向け文具」にとっては厳しい時代のようです。
 それにしても、ショウワノートが、「ジャポニカ学習帳」の「表紙の写真」や「解説文」に、ここまで企業努力をしているというのは予想外でした。「文房具メーカー」なのに!
 既存の雑誌や写真集から、良い写真を見つけて使用許可をもらって使っているのかと思っていたのですが、世界各地に直接取材班を派遣し、何か月もかけて、オリジナルの写真を撮っているんですね。そこまでやるから、あれだけのインパクトがある写真が集められるのか……
 そのほかにも、表紙には特殊なコーティングがされていたり、糸綴じを工夫して耐久性を増していたり、「ジャポニカ」には子供のための目に見えないさまざまな気配りも隠されています。

 親の立場になってみると、「ちょっと割高な『ジャポニカ』じゃなくても、安いノートでもいいんじゃない?」なんていう気持ちもあるのですが、子供というのは、大人が思っている以上に「本物」がわかるものなのかもしれませんね。