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2009年01月12日(月)
「たとえば面接官や会社の上司は、あなたの字のどこを見ると思いますか?」

『ダ・ヴィンチ』2009年1月号(メディアファクトリー)の記事「走れ!トロイカ学習帳」(文・北尾トロ)より。

【「たとえば面接官や会社の上司は、あなたの字のどこを見るか。うまいヘタもあるでしょう。読みやすさも大切です。でも、もっとも注目するのはていねいさです」
 こう言い切るのはリクルートエージェントのキャリアアドバイザー・細井智彦さん。履歴書であれば、漢字の止めやハネの部分までしっかり神経が行き届いているか、時間をかけた字なのかどうかこそがポイントらしい。スキマだらけの字や走り書きは、いい加減に思われ減点対象になってしまうそうだ。
「もちろん、美しい字は気持ちがいいし評価も高い。しかし、それがすべてではありません。字にはおのずと個性があるわけで、それぞれ違っていていいと思うんです。ぼくは書体見本のような字がいいとは思わない。逆に、それほどうまいと思わなくても、わかりやすくて伸びやかな、魅力的な字もあります。肝心なことは、気持ちを込めることなんです」(細井さん)
 どうしても採用されたい。そう思う人が乱雑な字を書くだろうか。否である。心からのお詫びの気持ちがあったら殴り書きするだろうか。否である、何のために書くのかを意識するだけでも、直筆文は数段ていねいになり、そこに込めた気持ちが相手に伝わるものだと細井さんは言う。これはなぐさめではなく、ビジネス現場の実感だそうだ。】

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 ここで話をされている細井智彦さんは、キャリアアドバイザーとして、過去5万人以上が受講している「面接力向上セミナー」の講師をつとめておられるのだそうです。

 僕も自分の字の汚さに自分で呆れてしまうことが多くて、いまのパソコン時代に生まれてきて本当によかったなあ、といつも思っているのですが、それでも、世の中には「手書が要求される状況」というのがあるのです。
 披露宴の受付で名前を書くときにはいつも緊張してしまいますし、仕事でいえば診断書はまだほとんど手書きです。仕事の書類っていうのは、「どうして23時にこんなに何通も書かなきゃいけないんだ……」というような状況で書いていることが多いので、やっぱり乱雑になりがちだよなあ、とこれを読みながら反省しています。
 「どうせ僕の字は汚いんだから、雑に書いても変わりないだろ」などと自分に言い訳するのですが、たしかに「気をつけて丁寧に書く」ようにすれば、「美しい字」は無理でも、「全然読めない字」にはならないでしょうし。
【どうしても採用されたい。そう思う人が乱雑な字を書くだろうか。否である。心からのお詫びの気持ちがあったら殴り書きするだろうか。否である】
 そう言われてみると、本当にその通りなんですよね。
 たかが履歴書一枚でも、「それを書く理由」が切実なものであれば、少なくとも「殴り書き」にはならないはず。企業の採用担当者というのは、字の美しさそのものではなく、その字に込められた「熱意」みたいなものを見ている、ということなのでしょう。

 しかし、「止め」や「ハネ」って、実際のところ、それなりに習字をやったことがなければ、「どう意識していいのか、よくわからない」ような気もします。
 ですから、「丁寧に書けば習字なんて無意味」っていうわけじゃなくて、習字というのは、「手早く仕上げても丁寧に書かれているように見せる技術」だという考えかたもできるのかもしれません。
 まあ、だからといって就職活動直前に習字教室に行っても間に合わないでしょうから、せめて、「大事な書類は、『字が汚いから』と投げやりにならずに、とにかく丁寧に書く」ことは意識しておいたほうがよさそうです。