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2008年07月30日(水)
スペインでの「ベテラン闘牛士の1ステージのギャラ」

『BRUTUS (ブルータス)』2008年 8/1号(マガジンハウス)のコラム「世界のビジネス/スペインの闘牛」より。

(これを書いている時点(2008年7月30日)のレートでは、1ユーロ=約168円です)

今回の数字:10,000€(ユーロ)

 約170万円。闘牛のハイライトでのベテラン闘牛士のギャラ。動物虐待との風当たりも強いが、闘牛がどれだけスペインの文化に根づいているかは数字を見れば一目瞭然である。 


 これから9月上旬にかけてスペインはフィエスタシーズンで、全国各地の市町村でお祭りが開催されるが、このお祭りにつきものなのが闘牛。祭りのあるところには闘牛があり、闘牛のあるところには祭りがある。最近では、動物保護を理由にアンチ闘牛を公言する自治体も出てきているが、ピカソやヘミングウェイも愛した闘牛は、この国では年間約1万5000回も開催されるという。
 試合の日に備えて大事に育てられる雄牛1頭のお値段は普通6000ユーロ〜8000ユーロだが、最高級品種ともなると1万8000ユーロ〜2万ユーロ! 施設としては、スペインを代表する1級闘牛場のマドリードのラス・ベンタス闘牛場には2万3798席あり、入場料は4.4ユーロ〜125.1ユーロ。】

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 僕はスペインに行ったことも、闘牛をナマで観たこともないのですが、これを読んだときには、クライマックスに登場するベテラン闘牛士というのは、こんなに高額のギャラをもらっているのか、と驚きました。
 1ステージでカローラくらいの普通乗用車1台分のギャラ。
 年間100ステージこなせば、年収1億7000万円になります。
 実際は、そんなに彼らの「出番」があるのかどうか僕は知らないのですが、月1回くらい働けば、あとは遊んで暮らすことだって可能な金額ではあります。
 日本やアメリカのプロスポーツ事情からもわかるように、基本的に興行に参加している人たちのギャラというのは、その興行そのものの「興行収入」に比例するものですから、スペインでは闘牛というのはものすごく人気があるのでしょう。
 年間1万5000回ということは、平均すれば、毎日40回くらいの闘牛がスペインのどこかで開催されているということになります。なかには、「草闘牛」みたいなのもあるんでしょうね。

 でもまあ、「闘牛士」というのはまさに「死と隣り合わせ」の存在でもあるわけで、この「1万ユーロ=170万円」というのも、「じゃあ、170万円あげるから、お前がやるか?」と言われたとしても、やっぱりちょっと遠慮させていただきたいところではあります。
 あの状況で、「カッコよく牛に立ち向かっていく」っていうのは、並大抵の精神力じゃ無理だろうし。