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2008年06月30日(月)
ジョージ・W・ブッシュ大統領の「迷言」コレクション

『どこまで本気!?世界の暴言・失言コレクション』(暴言失言協議委員会/編・リイド社)より。

(アメリカ合衆国第43代大統領・ジョージ・W・ブッシュ氏のさまざまな「暴言・失言」エピソード)

「ブラジルにも黒人がいるの?」
               ジョージ・W・ブッシュ(2001年)


 ブラジル大統領が訪米した際、ついつい口走ってしまったこのひと言。ブラジルは『人種のるつぼ』と言われるほどなのに、まったくブッシュさまったら、お茶目ですねえ。慌てた同席者たちに「大統領、ブラジルは、おそらくアメリカよりも多くの黒人がいると思われます」とフォローしてもらい、なんとか事なきを得たという、一国のトップとしてはあまりに情けないエピソードなのです。
 ブッシュさまはひとりで単行本が出せてしまうほどの妄言帝王であることはみなさんご存知でしょう。イギリスの子供にホワイトハウスの感想について聞かれると「白いよ」とやたら低い視点からお答えになられ、ロシアのプーチン大統領について聞かれたら「隠れ家に一緒にいてほしいタイプ」と謎のご返答。極めつけは「外国政策ってなんかイラつくなぁ」という、大統領として問題ありまくりな、ひと言もございました。選挙期間中に飛び出した「人間と魚は平和的に共存できる」発言に至っては、なにがおっしゃりたかったのか、おそらく本人以外、誰にも意味がわからないのではないかと……。
 このブッシュさま、実はアメリカ人でありながら「英語」があまり得意ではなく、きちんと言葉を伝えられないんじゃないかと言われています。「are」と「is」を間違えた「Is our children learning?」なんて、日本の中学生にも笑われそうな発言があるくらいですからね……。

 また、あの9・11事件の直後だったというのに「すべてひっくるめてローラ(夫人)と私にとっては素晴らしい一年だったよ」なんてアメリカ全土をぶちキレさせることを言ってみたり、「サダム・フセインが武装解除しないのであれば、米国が武装解除する!」と「米軍解体宣言」までしてみたり……。
 問題は、このお方が世界の命運を握っているということ。ああ、怖い!】

〜〜〜〜〜〜〜

 もうすぐ8年の任期が終わるジョージ・W・ブッシュ大統領、こうして「暴言・失言録」を読んでみると、これでよく8年間も「世界最高の権力者」を務めてこられたものだなあ、と呆れるを通り越し、感心してしまうくらいです。アメリカ国民も、なんとかガマンしてきたのか、それとも、こういう発言をけっこう面白がっていたのか……
 ここに採り上げられている発言の中には、プーチン大統領に対する「隠れ家に一緒にいてほしいタイプ」とか、イギリスの子供への「白いよ」みたいな、「暴言・失言」というよりは、ちょっとシュールなセンスを感じるものも含まれているんですけどね。

 それにしても、アメリカという国は、こういう「暴言・失言」に対して、けっこう寛容なのでしょうか? 
 冒頭のブラジルについての発言など、その場で周囲がフォローしたくらいで事態が収拾されるとは考えにくいですし、「素晴らしい一年だった」発言なんて、日本であれば「不適格!」「辞めろ!」という声が鳴り止むことはないはずです。
 アメリカの大統領は国民の直接投票が反映されるので、「自分たちで選んだ大統領だから、しょうがないか……」と諦めているのかもしれませんが。

 しかし、ジョージ・W・ブッシュ大統領をみていると、「今の時代では、世界最高の権力者」なんて、誰がなってもあんまり変わりないのではないか?」「結局、政治を動かしているのは、周囲のブレーンたちなのではないか?」と考えずにはいられません。むしろ、野心家の有能すぎる人が大統領になるほうが怖いような気もしてきます。
 まあ、次の大統領にとっては、「ジョージ・W・ブッシュ大統領の後釜」というのは、けっこう幸運なのではないでしょうか、たぶん。