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2007年08月12日(日)
「早寝早起き」を笑うな。

『月刊CIRCUS・2007年9月号』(KKベストセラーズ)の対談記事「賢者の贈り物〜NANNO PRESENTS・第7回 哀川翔×南野陽子」より。

(哀川翔さんと南野陽子さんの対談の一部です)

【哀川翔:俺さ、芝居は大して面白くない俳優だけど、職業の醍醐味を味わっている方だと思っている。

南野陽子:?

哀川:芝居ってさ、本番がどうなるか分からないケースが多いから面白いよね。撮影中にトラブルってよく起こるでしょう? その瞬間がすごく楽しい。その瞬間を楽しんで乗り越えられる、それをできる人が一流の俳優という気がするんだよね。俺はまだまだできない部分が多いから一流じゃないんだ(笑)。

南野:…。

哀川:それはね、何度もトラブルを経験しないとできない。そしてそれは俳優だけの話じゃない。俳優以外の仕事でも同じだと思うよ。

南野:ねぇ、哀川さんがそういう考え方をしたのはいつの頃から?

哀川:田舎(鹿児島)で学生時代を過ごして、社長になろうと思って東京に進出したくらいの時かな。その頃から考えは何も変わっていない。「継続は力なり」という言葉が俺は昔から大好きなんだ。あとは「早寝早起き」(笑)。これを実行するのは本当に大変でね。大人になるほど難しい。でも、続けてみれば分かると思うけど、すごく深いんだよ。大切さで言えば、「継続は力なり」よりさらに上のレベルに位置する気がするんだ。】

〜〜〜〜〜〜〜

 この哀川さんの話のなかで、僕がいちばん考えさせられたのは、哀川さんが「早寝早起き」の奥深さを語っているところでした。対談中には、その哀川さんの発言のあとに、(笑)がつけられていますけど、笑い話じゃなくて、「早寝早起き」って、本当に「大人になるほど実行するのが大変」だけど、うまく生きるためののコツとして、ものすごく大事なことなんじゃないかなあ、と「遅寝遅起き」の僕は思うのです。
 10代、20代前半くらいまでは、「早寝早起き」なんてバカバカしい!と感じていましたし、そんな規則正しい生活なんて、なんだか頭悪そう、とか考えていたんですけどね。

 一部のクリエイターなどの世界では違うのかもしれませんが、僕が社会人になって出会った「仕事ができる人」の多くは、「朝は早めに職場に来て仕事を始める人」なのです。
 「病院」という職場では、「早起き」をして早めに出勤することによって、朝の患者さんの顔を見て指示を出したり、その日の仕事の内容をあらかじめ確認したりしてから検査や外来といった日常業務を始めることができるのです。そうすることによって、もし日常業務中にトラブルが起こってもその日の朝の状況を把握している分だけ余裕を持って対応できますし、患者さんも「今日は一度診察してもらったから」と安心してくれます。スタッフも時間ギリギリに来て慌ててバタバタと指示を出されるよりは、ずっとやりやすいはず。

 まあ、あまり極端に朝が早かったりするのはかえって迷惑かもしれませんが、働いている時間が同じでも、「7時に来て朝のうちに仕事をして19時に帰る人」のほうが、周囲からすれば、「9時ギリギリに来て21時に帰る人」よりも、はるかに「安心感がある」のですよね。同じ仕事の中身なら、早く仕事を済ませてくれたほうが他のスタッフも早く帰れるでしょうし。
 実際は、後者の「遅く来て遅くまで残っている人」のほうが、前者に「今日もさっさと帰りやがって!」なんて憤っていたりしがちなのですけどね。
 
 しかしながら、僕は典型的な「後者」なのです。
 朝は仕事に行くのが辛くてついついダラダラしてしまうし、夜は「せっかくの自分の時間なのに、早く寝てしまうなんてもったいない」と遊んでいるうちに、どんどん夜は更けていくばかり。「明日のために早く寝なければ……」と思いつつ、「どうせ明日もキツイから、明日になるのイヤだなあ……」なんて、なかなか切り替えられません。
 「早く仕事をはじめて、早く終えてしまう」ほうが良いなんてことは、頭ではわかっているつもりだし、早く起きるためには、早く寝たほうがいいなんて、それこそ、小学生でもわかることなのに。

 組織の中で仕事をする人ならば、少なくとも「早起き」をするというだけで、自分の価値を1ランクくらいは上げられるはずなのですけど、頭ではわかっていてもなかなか習慣化できない「処世術」なんだよなあ。

 「早寝早起き」って、本当に奥が深いです。確かに、簡単なことのはずなのに、「大人になるほど難しい」。